野球に限らずですが「座右の銘」を持つ人は多いです。
しかし、持っていなければいけないものでもなく、また持っていれば良いというものでもありません。
しかし、持つことには様々なメリットがあります。
「座右の銘」を持つ目的は様々ですが、本記事では「座右の銘」の説明とともに、プロ野球選手の有名な「座右の銘」の紹介をし、探し方のヒントについても紹介したいと思います。
座右の銘とは
座右の銘の意味は、「常に自分の心にとめておいて、戒めや励ましとするか格言」(出典:大辞林 第三版)とされています。
座右の銘は自分を戒める目的や、励ましの目的で持つことから、座右の銘からその人の「大切にしていること」や「目標(なりたい姿)」が分かることも特徴かもしれません。
ある意味では、その人の「価値観」や「本質」を示す言葉とも言え、そういった言葉を周囲に示すことで共感を得ることができますし、逆に反感を受けることもあります。
ただし、一般的には「価値観」や「本質」を知ることは深い仲になるには大事なことですので、どんどん表に出した方が良いことでもあります。
話しを元に戻すと、座右の銘を持つことは他にもメリットがあります。
それは「考えがブレにくくなること」、「意志決定が早くなる」ことだと考えます。自分への励ましや戒めでもあることから、座右の銘に沿って行動すれば考えや行動がブレることが多い人でも紆余曲折することが少なくなります。
また、意志決定の際には選択肢があるかと思いますが、座右の銘を選択すれば良いだけなので、悩んだり迷ったりする時間が少なく済み、意志決定も早くなります。
座右の銘についてまとめると下記の通りです。
- 座右の銘は、心に留めておき、戒めや励みとする言葉
- 座右の銘からその人の「本質」や「価値観」が分かることもある
- 座右の銘があることで、考えに筋が通り、ブレにくくなり意志決定が早くなる
次項からは実際のプロ野球選手の座右の銘を紹介したいと思います。
プロ野球選手
プロ野球選手の座右の銘として有名と思う物を紹介したいと思います。
上原浩治
上原選手は巨人やレッドソックスで活躍した球界を代表する大投手ですが、ルーキーイヤーだった1999年には座右の銘が流行語大賞を受賞しています。
その座右の銘が「雑草魂」です。
上原選手は中学時代は陸上部(野球は地域のチームに所属)、高校時代は控え投手で甲子園の出場経験無し、19才の一年間は大学受験浪人と今の実績からすると考えられないような逆境を経験しています。
そんな逆境から這い上がった自分を雑草にたとえ、「雑草魂」として自分を鼓舞する言葉にしていたようです。
由来はこちらも大投手の鈴木啓示氏の「草魂(雑草の魂の略)」と言われています。
岩村明憲
岩村選手はヤクルトで3割30本100打点をマークするなど活躍した後、メジャーリーグでも数球団でプレーし活躍。高い身体能力を活かし日米の球団で活躍しました。
そんな岩村選手の座右の銘が「何苦楚魂」です。
この言葉はヤクルト時代にコーチだった中西太氏(氏の座右の銘だった)から学んだそうです。
意味は「何事にも苦しむ事が楚(いしずえ)となる」という意味です。
岩村選手は、175cmとプロとしては恵まれているとはいえない体格で、怪我と向き合いながら日米の球団を渡り歩き活躍しました。
「何苦楚魂」という言葉が、苦しい時に岩村選手を支えたのかもしれません。
下柳剛
下柳選手は複数の球団で活躍、特に阪神では最多勝を受賞し開幕投手を務めるなど、技巧派左腕として活躍しました。
そんな下柳選手の座右の銘が「前後際断」です。
これは「不動智神妙録(沢庵宗彭)」の引用で、意味としては下柳選手はあるメディアで「前というのはもう終わった過去のこと。
後というのは未来。
どちらも気に病んだり不安に思ったりしたら、その時点から集中できなくなってしまう。
そうなれば、良いパフォーマンスを発揮することはできない。
ピッチングも結局、「1球1球の積み重ね。」と答えています。
グラブに刺繍されており、ピンチでもこの文字を見て気持ちを落ち着かせていたようです。
決め方
座右の銘の「決め方」ですが、これはありません。各々が自分を励ましたり、戒める言葉として「これは良いな、大事だな」と感じた言葉を座右の銘にすれば良いと考えます。
よってルールはなく、「四字熟語でなければいけない」や「カタカナはダメ」ということも全くありません。よって好きな言葉を設定すれば良いと考えます。
しかし多くの言葉自体に触れたり知ることが無ければ、良いと感じることもありません。
よって、言葉を探すヒントを紹介したいと思います。
本(マンガ含む)、ドラマ、映画等を多く見る
ドラフトで4球団競合のドラフト1位となった根尾選手(大阪桐蔭)が読書家であるとがニュースとなっておりましたが、本を読むということは重要なことです。
人の考えに触れ、想像しながら理解していく行程は、直接野球の上達には関係ありませんが、間接的には影響があると考えます。
その点、マンガは必要とする想像力が少なくなり、ドラマや映画も同様だと考えます。
しかし、そのどれにもストーリーがあり、印象に残る言葉があると思います。
そういった「印象に残る言葉」を増やしていくと、自分の中で大事な言葉ができ、座右の銘に繋がっていくと考えます。
人の話しを多く聞く
自分と同じ経験をしている人はほぼ間違いなくいません。
それぞれが異なった経験をし、学んできているはずです。
その人が数年間や数十年間学んだり、経験してきたことを聞けば、必ず印象に残る言葉を聞けるはずです。
具体的な対象は、自分よりも経験豊富な人が望ましく、親兄弟等の身内から、先輩、学校の先生等になるかと思います。
またテレビや動画サイトでプロ野球選手のインタビューがありますが、そういった時も話しを聞く良い機会になると思います。
四字熟語を紹介している本を読む
四字熟語を紹介している本は多くありレベルも様々です。
オススメは、紹介している量が多く、その意味を丁寧に乗せている本です。
ネットなどで「四字熟語 オススメ」と検索する方法もありますが、それでは人と被ってしまったり、意味をよく理解できなかったりします。
その点、本であれば簡単なものから難しいものまで紹介されており、その意味も説明があることから、理解した上で人と違った言葉を見つけることができます。
また、読んでいく中で、自分の認識と意味の違う言葉見つかることがあり、少し楽しい面もあります。是非読んでみて、自分にぴったりの言葉を見つけてください。
座右の銘を決めたら
座右の銘は、前述した通り「常に心に留めておく」ことが重要です。
よって常に意識している必要がありますが、すぐ忘れてしまうのも人間です。
そのため、忘れないために、頻繁に視界に入る場所に置いておくと良いと考えます。
野球では一般的に帽子のツバの裏に書いたり、グラブに刺繍したりになるかと思います。
なお高校野球ではグラブ外面への刺繍は禁止されていることから、グラブに刺繍する際は、平裏部となります。プロ野球選手でも、帽子のツバの裏に書いている選手やグラブの平裏部に刺繍している人は多いです。
ちなみに今年の甲子園を沸かせた、金足農業の吉田輝星選手は、グラブの平裏に「シャキーン」と刺繍していました。
座右の銘とは違うと思いますし、正確な意図は本人しか分かりませんが、
グラブを手に取る際には必ず目に入る場所なので自分へのメッセージとしての意図はあるかもしれません。
まとめ
座右の銘について紹介しましたが、座右の銘は必ず必要なものではありませんし、持っていれば野球が上手くなるわけでもありません。
しかし、気持ちの面で弱かったり、癖があったりと改善の余地がある人には座右の銘を持つことはオススメになります。
是非自分なりの言葉を見つけ、気持ちを強く持つ手助けとしてください。