プロ野球コラム

ソフトバンク『柳田悠岐(ギータ)』反骨心をバネにトリプルスリーを達成した形跡を訪ねる。

ソフトバンク『柳田悠岐(ギータ)』反骨心をバネにトリプルスリーを達成し形跡を訪ねる。

アイキャッチ引用:https://number.bunshun.jp/articles/-/832466?page=2

広島県出身の1988年生まれ。同学年はメジャーリーガーの田中将大、前田健太。プロ野球を代表する名選手の坂本勇人、秋山翔吾とそうそうたる面々が揃う黄金世代。

日本人離れした豪快なスイングが、野球ファンを虜にし圧倒的な人気を誇っている。

ホームラン30本以上を3回のパワーに加え、6年連続3割を超える確実性も兼ね備えた好打者。

令和初となる3冠王の期待がかかる柳田だが、これまでの道筋には幾多の壁に当たりそれを乗り越えてきた道筋があった。

高校時代(広島商業高校)

 高校は春夏合わせて7度の全国制覇を誇る名門の広島商業高校。

入学当時は170㎝に58㎏の体格で、当時監督を務めていた迫田守昭は「柳のように細い子」と評していた。

2年夏まではベンチ外でスタンドの応援部隊であった。

その後、中村紀洋(元近鉄バファローズ他)を参考にした一本足打法にしたことで打球の飛距離が飛躍的に伸び、2年秋から3番打者として出場していた。

3年の夏の大会では広島大会準決勝で敗退した。この当時の体格は身長186㎝体重は60㎏後半であった。

現在、187㎝91㎏の鍛えぬかれたボディからは想像も出来ない程、線が細かった。

高校野球引退から広島経済大学へ

 柳田自身、野球は高校までと考えていたが、迫田守明から「プロや大学で通用する可能性はおまえが高い」と背中を押され、大学に行くことを決める。

関東の強豪大学のセレクションを受けるが落ち、地元の広島経済大学へ進学。

セレクションに落ちたことで反骨心が芽生え、「高校時代はやったことがなかった。

体を大きくすればもっと出来るんじゃないかと思いまして」と一念発起し、金本知憲や新井貴浩といった一流プレーヤ御用達のジムの門を叩き、

週4回通ったことで10㎏程体重が増え、大学入学時にはプレーの質が変わり、大学1年秋からレギュラーに定着。

2年春は打率4割4分4厘、3年春は5割2分8厘の高打率でチームを全国大会に導く。

しかし、全国の強豪の壁は厚く無安打に終わった彼は、屈辱を糧に個人練習での打撃練習を倍に増やした。向かえた4年春の全国大会では2安打を放った。

広島6大学リーグ通算4割2分8厘、首位打者を4度獲得した打撃に、遠投110mのて鉄砲型で6度のベストナイン、50メートル走では6秒を切り、11球団から調査書が届いており、ドラフト上位指名候補であった。

プロ入り後バッティングフォームを固める

 2010年の秋、ソフトバンクホークスは補強ポイントとして左打ちの外野手があった。

より確実性の高い秋山翔吾(現埼玉西武ライオンズ)が最上位だったが、

ドラフト前日の会議中に王貞治会長の「柳田って体は大きい(187㎝89㎏)けど、どっちが飛ばすんだ」という一言に「それならば柳田です」の返答があり、ドラフト2位で指名される。

だが入団後もまた壁にぶつかる。「一軍の投手の球が、かすりもしなかったんです。ヒットがほしくてバットを当てにいくと、ボールを追いかける形になり体勢が崩れる。

1年目はノーヒットで本気でクビを覚悟しました。目を覚ましてくれたのは王貞治会長でした。2年目の春のキャンプでこう話しかけてもらったんです。

『君の持ち味はなんだ? 当てにいってどうする。結果を気にせずフルスイングしろ』と。この言葉で吹っ切れました。

常にフルスイングという自分の打撃スタイルが固まると、体勢を崩されることもなくなった。少しずつ結果を残せるようになったんです」。とのことに加え、

フルスイングの形を崩されないチーム方針もあってのことだろう。

強力打線を支える、松田や上林といった豪快なスイングの生え抜き選手を多数輩出しているのがその証拠である。

何故フルスイングなのに高打率を残せるのか

 「ヘルメットが吹っ飛ぶぐらい、思い切り振ります。

インパクトの瞬間は『ガッシャーン』ではなく、最初に『グ』。『グアッシャーン!』」。

同僚の長谷川勇也(2013年首位打者、最多安打)は「いいかげんが、良いかげん。僕は試合でもきっちり打ちたいタイプ。

でも、柳田はいいかげんさがちょうどいいから、タイミングがずれてフォームを崩されても結果が出せるんだと思う」と詰まることに躊躇せずフルスイングしている。

それだけ振っていてなぜ高打率を残せているのか。

それはフルスイングをすることで強い打球を放てるからではないだろうか。

常にフルスイングをすることで、多少詰まって内野ゴロでも野手の間を抜けてヒットになることが多いのと、たとえ際どい打球を捕られたとしても俊足を活かし内野安打に。

それに加え、柔軟な対応力という点も挙げられる。

昨年までヘッドコーチを務めていた達川光男は「柔軟よ。追い込まれるとバッティングを変えられる。考えていないようでも、よう考えて野球をやっている」と言い、

ある打席で速いストレートに差し込まれそうになったときに、瞬時に自らの背中を反らしレフト方向に打っのだとか。

ただ単に引っ張ってホームランを打ちたいという気持ちならば、ホームランか三振かのバッターになっていたのかもしれない。

豪快さの中に確実性をアップさせる工夫を凝らしているのが、高打率を残せる理由だろう。

これから

 2015年にはトリプル3(打率3割、本塁打30本、盗塁30個)を達成。

首位打者を2回記録し高打率もさることながら、最多四球も3回記録し、最高出塁を4回も記録している。

広島東洋カープの4番を任せれている鈴木誠也が「あのスイングでミートするのもすごいけど、ボール球にバットが止まることが考えられない」という証言があり、

フルスイングをしながら選球眼がいいという今までにないタイプのバッターである。

 2019年シーズン、開幕から全試合に出場し打率3割3分5厘、4本塁打、14打点と好スタートを切っていたが、4月7日ロッテ戦の走塁中に足を痛め、福岡市内の病院で全治3週間と診断された。

4月8日に左膝裏の肉離れのため出場選手登録を抹消された。4月29日現在、首位に立っているチームに、走攻守に加え陽気な性格でチームに活気をもたらす柳田が戻ってくれば、日本一3連覇も成し遂げれるのではないだろうか。


参考資料:

https://number.bunshun.jp/articles/-/832466?page=2

https://number.bunshun.jp/articles/-/832423?page=1

https://friday.kodansha.co.jp/article/16586

 

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