毎年恒例の、甲子園出場チームの注目選手特集です。
今回は、鶴岡東高校の丸山蓮選手。
夏の高校野球山形県大会
個人的ベストナイン
投手 村上舜(山形中央)
捕手 大井光来(鶴岡東)
一塁 横山知樹(山形工業)
二塁 的場北斗(東海大山形)
三塁 畑中悠哉(東海大山形)
遊撃 河野宏貴(鶴岡東)
外野 丸山蓮(鶴岡東)
外野 渡部大成(山形中央)
外野 新田琉生(酒田南)— 高校野球大好き二郎 (@6E373kA72y6oDiH) July 24, 2019
〉セリーグ某球団のスカウトが持っているリストに名前の載っている選手は、八戸学院光星(青森)の武岡龍世遊撃手(右投左打)、鶴岡東の丸山蓮投手兼外野手(右投右打)、山梨学院の野村健太外野手(右投右打)の3人 https://t.co/1gT7mdzHMa
— ケルト (@Celticmythology) July 26, 2019
右投げ右打ちだけど左利きの5番丸山蓮選手(3年)は今大会、打率.467、本塁打3、打点7、出塁率.652の好成績。兄の丸山大選手(亜大・3年)は15年、16年夏の甲子園に主力として出場。『兄に憧れて、鶴岡東に入って甲子園に出たいと思った』。最後の夏に兄たち以来の夏の聖地への切符を手に入れました。 https://t.co/7VcK2Fw9cn
— 小林泰斗@スポーツ報知 (@tkphoto1234) July 24, 2019
Contents
あらすじ
県内最多の甲子園出場回数を誇る日大山形を筆頭に、酒田南、東海大山形に羽黒と、名だたる強豪が名を連ねる山形県。強豪揃いが多い県ではあるが、甲子園での優勝経験がないという山形県。
近年で言えば、去年までの過去三年間、夏の甲子園では一回戦負けという苦い記録が残っている。
だが、今年の代表校の鶴岡東は一味違う。
何と言っても爆発的な打力に評価を得ている。
春の山形大会では4試合で計38得点という打撃力を見せ、山形県内では他校を圧倒する攻撃力で制した。
夏の大会も5試合中3試合が二桁得点を挙げる等、猛打で山形を勝ち上がっていき頂点に立った。
打撃力だけでなく、県大会では右腕・左腕の6投手が登板した、投手力も充実し、総合力の高いチームに仕上がった。
中でも中心選手として活躍し、甲子園でも活躍も予想されるのが丸山選手。打撃面では県大会で2本塁打をマーク。
投げては最速140㎞のストレート軸に能力も高い。
二刀流としても注目を浴びる丸山選手はどんな選手なのか迫ってみる。
丸山蓮選手のプロフィール
- 世代 2001年度生まれ
- 投打 右投右打
- ポジション 外野手
- 所属 鶴岡東
- 学年 3年
- 高校 鶴岡東 2017年,2018年,2019年
鶴岡東のクリーンナップを打つ丸山選手。
183㎝80㎏のがっちりとした体型の大型スラッガー。
兄は同高OBで、高校通算38本塁打を放った丸山大(亜細亜大)。
甲子園に出場した兄に刺激を受け、鶴岡東に進んだ。左足を一本足のように挙げて強く踏み込み、大きく弧を描いたスイングから繰り出す打球は『強烈』。
県大会では自慢の猛打を披露した。
県大会の成績は、15打数7安打7打点、2本塁打と打ちまくった。
準決勝まで2本塁打を含む7安打7打点を挙げた手法は、決勝戦徹底マークされ、4四死球1犠打1三振だった。
無安打にも本人は、
「一塁に進めるのは1ヒットと同じ。後ろのバッター陣がチャンスで打ってくれた」
とゲームメークに徹した。
打撃で結果を残すだけでなく、チームのために我慢が出来るとあって、チームメイトからの信頼も厚い。
また投手としての姿は、県大会3回戦では先発のマウンドに上がり、2回2安打1失点の投球を見せた。
公式戦のマウンドは昨年9月下旬の県大会準々決勝(対酒田南)以来で、約10ヵ月ぶりだった。
この1試合しか登板はなかったが、大型の体型をバランスよく使ったフォームにクレバーな投球術が光っていた。
佐藤監督は優勝した際
「(優勝を決め)ホッとした。部員は102人。みんなの力で勝つ思いでやっている。全員野球を体現してくれたと思う」
とコメントしており、『全員野球』を掲げるチームで丸山選手は様々な局面で、それを見せてくれたとあって、甲子園でも勝利も丸山選手の活躍がカギとなってくる。
丸山蓮選手の中学時代
丸山選手の中学時代だが、鶴岡ドリームスに所属していた。
同チームは、スポーツ少年団や部活動で軟式球を扱う小学4年生から中学3年生までが年代別に週1、2回の2時間、主に硬式球で合同練習する野球教室。
教室は、全国にも例がない小中一貫のカリキュラム。
チーム名を鶴岡ドリームスで硬式の大会に出場し、県外に遠征もしている。プロ野球ドラフトで指名される選手が相次いで育っている。
かつては高校野球の甲子園大会出場もままならなかったような鶴岡の野球事情は一変。
プロで活躍する選手が身近な存在になりつつある。
少子化や野球人口の減少といった逆風の中、強化策を実らせてきた野球教室の挑戦を見つめた。
2017年10月26日は鶴岡市の野球関係者にとって忘れられない一日になった。
鶴岡東高3年(当時)の吉住晴斗投手がプロ野球ドラフト会議でソフトバンクに1位指名された。山形県内の高校生で史上初めてのことだった。
その吉住投手は小中学生の頃に鶴岡野球教室に通い、基礎を学んだ。
中学入学時に市外のリトルシニアに進んだが、2年ほどで復帰した。
父親の英則さんは「シニアを辞めた後、野球を諦めることを真剣に考えた。
今があるのは『またやろう』と誘ってくれた教室のおかげだ」と振り返る。
5月下旬、鶴岡市の鶴岡ドリームスタジアムにある室内練習場。
市内外の11中学校から部活動終了後の午後7時に1~3年生約60人が集まり、ウオーミングアップを始め、練習をスタートさせた。
教室が生まれた背景には連盟の強い危機感があった。
設立された1990年代前半、鶴岡の野球は1981年の鶴商学園高(現鶴岡東高)以来、夏の甲子園にも出場できない低迷期にあった。
勝木正人副会長は、
「関東は弱い中学にもめぼしい選手が必ずいるが、鶴岡はゼロだった。地域全体で質の高い練習を増やす必要を感じた」
と振り返る。
鶴岡ドリームスの佐久間みぎわ代表は、「試合に勝つためではなく、高校や社会人でも活躍できるようけがをさせず、伸びしろを大事にする指導をしている」と強調する。
成果が形になり始めている。
プロ入りした教室出身者は吉住投手以前にも、首位打者になったソフトバンクの長谷川勇也外野手や、日本ハムで抑えを担う石川直也投手がいる。
それだけでなく、高校や大学の強豪チームにも出身者を次々と送り出している。
東北楽天が編成する小学5、6年生の軟式チーム「東北楽天ジュニア」にも選ばれた山形県三川町三川中(当時)の斎藤堅史選手は、「シニアですぐに硬式球を投げ込んで肩を壊すのが心配だった。
教室は個性を生かして理屈で教えてくれる。『ドラ1』の先輩も出ているのが励みになる」と話してくれた。
もちろん甲子園での丸山選手の活躍も、励みになるとあって目覚ましい活躍を期待したい。
将来像
以前はピッチャーとして注目を集めていた丸山選手。
今では、右の強打者としてスケールの大きい打撃が高く評価されている。
県大会、羽黒との一戦では好投手でプロ注目の篠田投手から決勝のツーランをセンターに放り込み、大会で3本塁打を放ち、パワフルな打撃を見せてくれた。
甲子園でも放物線を描き、プロのスカウトをあっと驚かせてほしい。
卒業後の進路は兄と同様、大学に進む可能性はあるが、伸びしろを感じる選手なだけに、これからの成長を見ていきたい選手の一人である。
参考資料:
- https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201807/20180724_54042.html
- https://www.google.co.jp/amp/s/www.nikkansports.com/m/baseball/highschool/news/amp/201907240000915.html
- https://www.sankei.com/sports/news/190724/spo1907240034-n1.html