野球の技術解説

野球は素振りでバッティング上達・適切な筋肉とスイングフォームでスラッガーへ

野球は素振りでバッティング上達・適切な筋肉とスイングフォームでスラッガーへ

野球の練習というと、その多くが複数人でなければできませんが、

一人でできる練習もあります。

その一つが「素振り」です。

素振りは、バットとちょっとしたスペースがあれば可能な練習ですが、

あらゆる強豪校の選手やプロ野球選手も行っている「基本中の基本であり大事な練習」です。

本記事は素振りの際に考慮する点や「素振りの効率化」についても記事を作成します。

一人でできる野球のバッティングの基本練習:素振りの目的

どんな練習にも目的はあり、目的を持たない練習は無駄になりかねません。

そのため、まずは「目的を持つ/理解する」ことが重要であると考えます。

目的①:スイングに必要な筋肉・バットを振る力を付ける

バットを振れば当たり前ですが筋肉が付き、力が増します。

力が増せば、スイングスピードが上がり、

インパクト時の押し込みも強くなることから、

打球速度や飛距離の向上に繋がります。

また、全力時のスイングスピードが上がることで、

余計な力みが無い時のスイングスピードも向上します。

それだけならウェイトトレーニング(以下筋トレ)でも良いように思いますが、

筋トレにはネガティブな点(詳細は後述します)もあることから、

実際にバットを振ることとバランス良く組み合わせることが大事です。

その上で、

実際の動きに沿っている素振りでバットを振る力を養うことはネガティブな面が殆どないことから非常に有効です。

目的② 身体に動きを記憶させる・スイングフォームの定着

人は動きを記憶することであらゆる動作に対応しています。

「やったことのない動き」を急に対応することは難しく、

対応できる人は天才と呼ばれます。

例えば武道では「型」がありますが、

あれはあらゆる状況を想定した「型」を身体に染み込ませることで、

咄嗟の状況にも対応することが目的になります。

また、一定の動作に慣れている職人の作業の早さや正確性がメディアで紹介されることがありますが、

それも動作を身体が記憶しているから可能な業になります。

素振りも同様で、「バットを振る」動作を身体に染み込ませることで、

動作のスムーズさや咄嗟の反応に繋げることができます。

また正確な作業の反復にも素振りは有効で、

後述するようなことを気を付けて回数を行うことで再現性を高めることができます。

効果を高める素振りの仕方

上記のように目的を理解したら、

素振りに対する自分の目的をより具体的にした方が良いです。

例えば「スイングスピードを早くしたい」であったり、

「内角の捌きが上手くなりたい」や「外角を逆らわずに打ちたい」がそれにあたります。

これらを達成するにあたっては、

以下の7項目がヒントになるかと思います。

それぞれを組み合わせて、より効果的な練習をしてください。

◆信用がおける人にスイングフォームを確認してもらう

素振りをしていて最も怖いことが「変な癖が身体に定着すること」であると思います。

咄嗟の時に癖が出てしまうことで結果が出ないのは、

誰しも経験したことがあるかと思います。

しかし自分のフォームをスイングしながらチェックすることはできないため、

他人にチェックしてもらうことになるかと思います。

この時注意したいのは、「信用がおける人に見てもらう」ということと、

「あまり大勢の意見は請わない」ということです。

野球を知らない人の意見は無駄ですし、

大勢の意見を取り入れることは自分を見失うことに繋がります。

主体性を持って意見を請うことで効果があることを認識し、

フォームの確認をしてもらいましょう。

◆動画を撮影し、自分の素振り・バッティングの構え・スイングの軌道を確認する

誰しも「調子が良い時」というのは有るかと思います。

そういう時に動画で記録しておくことで、

調子が悪い時に戻れるベースができます。

また、調子が悪い時の癖や、結果が出ない時の傾向を自分で掴めることから、

不調からの復帰もスムーズになると考えます。

自分で撮影する際にやった方が良いのは「自分以外の選手の真似」です。

真似をして撮影することで、

自分の意識と実際の身体の動きの乖離が把握でき、

その差が小さくなっていくことで自分の意識通りに身体を動かしやすくなります。

しかしやりすぎることで自分のフォームが崩れないように注意が必要です。

自分のスイングの軌道はしっかり頭に入れておきましょう。

◆極端に様々なスイングフォームを試してみる

人の身体は思ったほど意識通り動いていません。

そのため何かを修正する時、最初のうちは「意識して極端にやってみる」ことが大事です。

例えば「軸足に体重をもっと乗せたい」のであれば、普段摺り足でも一本足で振ってみたり、

「身体の開きを抑えたい」のであれば、無理矢理にでも抑えてみたり等です。

一度極端にやってみて身体に記憶させ、次に自分のフォームに落とし込むことで、

無意識でも改善できていることがあります。

「改善点が分かっているのに直せない」と思っている方は、

是非挑戦してみてください。

◆各コース・各球種を想定した素振りを行う・打撃のミートポイント・タイミングの確認

素振りは基本的に一人で行う練習ですが、実戦を想定した練習もできます。

一振りずつ各コース・各球種を想定してスイングすることでより実戦的にもなりますし、

それらのスイングを身体に覚えさせることで、咄嗟の時の反応も用意になります。

また各コースの球に対して、スムーズにバットの面を当てられていないスイングは、

何かフォームに問題を抱えているケースが多いことから、フォームの確認にも有効です。

◆早いペースで反復をする・回数は多いほど良いのは事実

これも「極端にやってみる」と同様で、早いペースで繰り返し、

素振りをする事で、身体に動きを覚えさせることが目的です。

また、早く動かすことで、身体にキレが出てきたり、

疲れた際のスイングの確認ができます。

疲れてくるとスイングや身体がブレたりしますが、

それは力が不足しているのか、

反対にスイング時に余分な動きが多い可能性があります。

自分の身体の動きを把握し、問題と原因を捉えることが重要です。

◆重いバットで素振りをする・下半身も強化

重いバットで素振りをする目的は、「バットを振る筋力をつける」ことです。

重いバットで振れるようになってくると、

軽いバットではスイングスピードが上がりますし、

スイングスピードが上がる効果は冒頭で説明させて頂きました。

スイングスピードを向上させるにあたっては重いバットを使用することは大変有効です。

下半身の強化にも繋がり、バッティングの基盤を作ります。

ただし、重いバットを使用すると使いこなせず、

「ヘッドが下がったまま」等普段との違いが大きすぎるスイングになる危険性が有ります。

普段との差異や、練習の目的を把握した上で、重いバットを使用することが重要です。

◆ランニングやウェイトで下半身を使った後に素振りをする

ランニングやウェイトで下半身を苛めた後に素振りをした際、

下半身に力が入らず「ヘロヘロ」なスイングをしてしまうことは誰でも想像できるかと思います。

この時のスイングは「下半身に変な力が入っていないスイング」であると言えます。

そういった時は、身体のどこに力が入っているのか?やふらつきが大きい時はその原因が分かりやすい状態であると言えます。

是非下半身に疲労が溜まっているときに素振りをして確認してみてください。

ただし下半身に疲労が溜まっていることが原因の故障もありますので、十分に注意してください。

コラム:〜私の打撃を爆発的に上達させた指導者の「たった一言」〜

サイト管理人のバッティング上達経験を少しここで書いていきたいと思います。

橘裕司
橘裕司
スラッガーのわいの出番やで

私自身、中学野球では名門シニアでクリーンアップ、高校も某名門野球部(甲子園複数回出場校)でクリーンアップ、時には4番打者を担っていました。

しかしこんな私も中学1年生の時には1年生だけの大会で、

同学年しかいない中でレギュラーにもなれず、背番号は24番でした。(ベンチ入りは25人まで)

つまり、かなり実力が下の方だったのです。

橘裕司
橘裕司
この頃は自信もあったのに結果が出なくて、コーチにも相手にされていない感じが辛すぎました

悔しくて悔しくて、この時期は素振りを毎日500本、多い時は1000本やってました。

中学1年生にしては爆発的に努力していました。

橘裕司
橘裕司
今はこんなに努力できる気がしない

しかし半年これを続けても全く結果が出なかったのです。

これには本当に心が折れそうでした。

そんなある日、シニアのコーチが私の素振りをみてある一言を口にしたのです。

「おい、橘。腰入ってへんのちゃうか?」

ハッとしましたね。

私は「腕だけ」でスイングしていたのです。

下半身を使わず、腕だけで力任せにスイングを繰り返しており、

全く打球が速くならず、ミートしてもボールが遠くへ飛んでいかなかったのです。

しかし、この日から、プロ野球選手、特に立浪選手の腰の使い方をテレビで録画して、

徹底的に研究し、自分の素振りに反映させていったのです。

この頃の私の打ち方は最初は完全に立浪選手のコピーでした。

下半身、下半身と意識を下半身の動きに集中したのです。(下半身への負荷は最初は凄まじかったです)

立浪選手に憑依したように、ひたすら立浪選手のスイングを真似ました。

結果的にそこから3ヶ月で私は1つ上の学年の試合でレギュラーを勝ち取り、

最上級生になった頃には不動のクリーンナップとして活躍したのです。

結果的に、最初に手打ちとなっていた頃に素振りをしていたことで腕の筋力も飛躍的に伸びていたことも長打が打てるようになった一つの要因になったのだと思います。

あの指導者の一言で、気づきを得て、改善を繰り返したことにより打撃力は飛躍しました。

野球の上達には「人に見てもらう」ことは本当に大事です。

あなたも打撃に悩んでいるのであれば指導者に見てもらい、私のように立浪選手のようなロールモデルを見つけ、徹底的に真似をすることをオススメします。

前提として、がむしゃらに努力することは必須条件ですが。

橘裕司
橘裕司
あの時期は周りの選手も驚くほどの快進撃でした。10打数9安打とか打ってました

ちなみに似たエピソードで、藤川選手の物語は私も共感する部分が大きいです。

例えば藤川球児選手はなかなか芽が出ない選手でしたが、

当時の阪神のコーチ、山口高志氏の、

「なぁ球児、右足ちゃうか?」

この一言がきっかけで藤川選手は「火の玉ストレート」を生み出したのです。

素振りの注意点

以下では素振りの注意点を書いていきます。

◆素振りと実戦との乖離

「目的」内の「◆各コース・各球種を想定した素振りを行う」でも説明しましたが、

素振りだけでは実戦との乖離は大きくなります。実戦との乖離が大きくなっていくと、

素振りで良いスイングが出来ていても、実戦では結果が残せないことに繋がります。

素振りで「何を改善・確認・向上させるのか」を明確にし、

他の練習と組み合わせることが大事です。

◆筋トレの問題点・正しく筋肉をつける、イチローのバッティング理論も参考にしよう

スイングスピードを向上させるにあたっては、筋トレは大変効果があります。

しかし筋トレは正しく実施しなければ、関節廻りの可動範囲が狭まったり、

疲労の回復時間が少なく故障に繋がることがあります。

しかし近年は学生野球でも身体の大きい選手が多く見受けられ、

筋トレをしないことは考えられません。

よって正しい内容で自分にあった筋トレを行うことが重要だと考えます。

シアトル・マリナーズのイチロー選手は「自分の生まれ持ったバランスを壊さない」ことの重要性を下記のインタビューで答えています。

◆腰や体幹廻りの筋肉のバランスが崩れる

右バッターなら右で、左バッターなら左でスイングすることが多いため、

どうしても身体には左右差が発生してしまいます。

左右差はプレーの影響よりも故障の原因となる可能性があるため、左右差はない方が好ましいです。

イチロー選手もバランスをとるため、右打席でスイングすることもあるようです。この点も注意し、素振りを実践してください

◆スピード等を重視することでスイングのフォームが崩れる

素振りだからこそ行える練習もありますが、

突き詰めすぎるとフォームが崩れる可能性があります。

「今自分がどういったスイングをしているか」を意識したり動画撮影することで把握しながら素振りすることが重要です。

素振りの効率化について

以下では素振りの効率化について解説していきます。

練習は量が最も大事ですが、そこに効率化を加えると技術はとんでもないレベルまで引き上がるのです。

◆バットの重り(錘:おもり)

バットに付ける錘になります。

自分のバットに+できることから、お手軽ですし場所も取りません。

これを使用してスイング時の負荷をあげることが出来ますが、

先端のみが重くなることから、ヘッドが下がりやすく、

それを補正して素振りすることで、軽いバットでのスイング時のヘッド位置がずれないように注意が必要です。

◆マスコットバットの使用

マスコットバットは木製の重いバットになります。

バットに付けるタイプの錘では重い場所の偏りがありますが、

マスコットバットは偏りが少なく、通常使用しているバットと使用感が似ているかと思います。

なお打撃可能と不可能なタイプがあり、

打撃可能であればバッティングセンター等での使用もできることから練習の幅が広がります。

なおマスコットバットでの素振りの際も、

変な癖が付かないように、目的を理解してバランス良く使用することが重要です。

◆カウンタースイング(カチカチバット)

2017年夏の甲子園で準優勝となった広陵高校の中村奨成捕手の使用で有名になったのがこのカウンタースイングです。

これはバットの軸上を移動する錘が付いており、

スイングによって発生する錘同士が衝突する音により、

そのスイング軌道が判断できるバットになります。

音が二回ならスイング軌道は遠回り、

音が一回ならスイング軌道はインサイドアウトとなります。

このバットで練習することで最短距離でボールに到達するインサイドアウトのスイングが手に入るかもしれません。

なお広陵高校の中村捕手は、

元々長打力のある選手でしたがこのバットで練習し確実性も備え、大会の最多本塁打6本、打点17、塁打数38をマークしています。

◆ネット経由で診断

オンラインで実績のある人の指導を少人数、もしくはマンツーマンで受けることも可能です。例えば下記のようなレッスンがあります。

https://www.tokyo-dome.co.jp/spo-dori/online-baseball-academy/

調べた限りでは、複数のレッスンがあり量販店での販売もあるようです。

事前に調査した上で納得出来れば試してみても良いと思います。

なお他にも実績は不明ですが、各SNSにもそういった指導者はいるようです。

他人に意見を請うことの注意点は「◆信用がおける人にフォームを確認してもらう」の項で説明していますので、主体性をもって活用してみてください。

まとめ

今回は素振りについて記事を作成してみましたがいかがでしたでしょうか。

私はプロ野球選手でもありませんので、全てが正解とは思っていませんが、

自分なりに成功したり間違って学んだり、

調べたことを記載しているのでヒントになる点はあるかと思います。

どの練習にも共通する事ですが、練習の目的と注意点を理解することは重要です。

この記事の内容を自分なりに解釈して、練習に活かしてもらえれば幸いです。


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