野球の技術解説

【盗塁】野球は打つだけじゃない!プロに学ぶ盗塁成功の条件とコツ

【盗塁】野球は打つだけじゃない!プロに学ぶ盗塁成功の条件とコツ

「スチール」とは一般的には「盗む」といった意味ですが、

野球においては「盗塁」の意味で活用されます。

盗塁自体は、走者が次の塁に進む方法の一つになりますが、

盗塁にも種類があります。

そのそれぞれについて、

「名前は聞いたことがあっても定義は知らない」方も多いかと思います。

本記事では、それぞれの「盗塁」について紹介しつつ定義を説明することで、

本質を理解したうえでプレーをする手助けをしたいと思います。

では以下に説明させて頂きます。

スチール(盗塁)

冒頭でも説明しましたが、盗塁自体はランナーが次の塁に進む方法になります。

この時、安打、刺殺、失策、封殺、野選、捕逸、暴投、ボークではなく進塁した場合は盗塁が記録されます。

一般的にはピッチャーの投球動作を開始した際にランナーがスタートし、

次の塁に進むプレーのことです。

二塁への盗塁はニ盗、三塁への進塁は三盗と一般的には呼びます。

ダブルスティール(重盗)

ダブルスティール(重盗)は二人の走者が盗塁を記録することになります。

理論上はランナーがニ、三塁にいる場面でも実施可能ですが、

通常はランナーが一、二塁にいる場面で実行されます。

この場面では守備側はニ塁ランナーの三塁での刺殺を狙うことから、

二塁ランナーの脚力と技術が重要になります。

また勘違いしがちなのは、

二塁ランナーが三塁で刺殺された際の一塁ランナーの進塁ですが、

これは盗塁とは見なされないので注意が必要です。

ダブルスチールでは、両ランナー盗塁に成功した場合に限り、

盗塁が記録されます。なおランナーが一、三塁の場面では、

後述するディレードスチールでのダブルスチールとなることがあります。

◆ディレードスチール

通常のスチールはピッチャーの投球動作に合わせてスタートしますが、

ディレードスチールは守備側の隙を付いて実行する盗塁になります。

守備側の牽制や送球に合わせてスタートするのが一般的です。

また投球動作後にタイミングを外してスタートすることもあります。

よく目にするプレーとしては、他の塁に牽制時にスタートしたり、

キャッチャーからの返球に合わせてスタートするプレーがあります。

2014年4月12日のオリックスバファローズ戦で、

広島東洋カープの一塁走者天谷選手、

三塁走者庄司選手が決めたディレードスチールを紹介します。

一塁ランナーが盗塁を仕掛け、

それを阻止するためにキャッチャーが球を投じた際に三塁ランナーが進塁するという比較的オーソドックスな形だと思います。

オーソドックスであることから、守備側として練習も当然しているプレーですので、

攻撃側としては難しいプレーだと考えます。

キャッチャーが偽投で三塁ランナーを飛出させたり、

二塁手がカットするプレー等が守備側の防衛策になります。

2015年5月17日の千葉ロッテマリーンズ戦で、

銀次選手(東北楽天ゴールデンイーグルス)が決めたディレードスチールを紹介します。

ピッチャーの投じた球がホームベースを通過するタイミングでスタートしており、

キャッチャーをはじめとした守備陣がボールに集中したタイミングでスタートすることから、

意表をついたタイミングの盗塁となっています。

スタートのタイミングが難しい一方で、

守備側からすると嫌な攻撃でもあることから、

失敗してもダメージ(嫌なイメージ)を与えることができるかと思います。

ホームスチール(本盗)

三塁ランナーが本塁へ進塁することをホームスチール(本盗)といいます。

ピッチャーの投球動作と同時にスタートする場合もありますし、

捕手の送球に合わせてディレイドスチールを実行する場合もあります。

またランナー一、三塁時に一塁ランナーがスタートし、

同時かキャッチャーの送球を見て三塁ランナーがスタートする場合もあります。

以下に動画を紹介しますので参考にしてみてください。

2008年春に当時早稲田大学の主将でもあった上本博紀選手(現・阪神タイガース)が決めたホームスチールを紹介します。

ピッチャーの始動とともにスタートしたホームスチールです。

ホームスチールのシーンは4分5秒あたりですが、

イニングの頭からの動画になるため全て見ることをオススメします。

理由はバッテリーがノーマークであることがよく分かるためです。

このシチュエーションでは、

ピッチャーが左であることから三塁ランナーを視野にいれにくく、二塁ランナーに意識を持って行かれがちです。

また終盤かつ同点であることから、バッテリーはバッターに集中せざるを得ません。

さらに一塁が空いていてバッテリー有利のカウントであることから、

勝負球は際どい球、もしくは一度外す可能性があります。

そういった複合的な理由により決まったスチールであると考えます。

是非参考にしてみてください。

2004年のオールスター戦で新庄剛志選手(元・北海道日本ハムファイターズ)が決めた、

日本一有名と思われるホームスチールになります。

このホームスチールはキャッチャーからの隙をついたホームスチールになります。

これは、新庄選手の身体能力、

四番小笠原道大選手(元・東京読売ジャイアンツ)の打席、

オールスターでの「まさか」といった要素により決まったホームスチールだと考えます。

上で紹介した上本選手のスチールと決定的に違うのは、

「右ピッチャーである」という点です。

右ピッチャーでは三塁ランナーが視界に入ることから、

ピッチャーの始動とともにスタートするパターンは難しかったと考えます。

また小笠原選手は左バッターであることからキャッチャーからも視界に入りやすいことも理由になるかと思います。

守備側の教訓にもなりますし、学ぶ点の多いホームスチールだと考えます。

コラム〜盗塁の豆知識〜

■プロでは盗塁をしてはいけない時がある?(暗黙の了解)

プロ野球やメジャーリーグや国際大会では、

アンリトゥンルール(ルールブックに記載の無いルール)と呼ばれるものがあります。

その多くは「相手に敬意を払う」といった紳士的な視点から定められており、

当然走塁に関してもあります。

それは「大差がついている時に勝っているチームは盗塁をしてはいけない」といったものです。

「勝っているのに追い打ちをかける行為は紳士らしくない」ということになるからです。

なお、それを破ってしまうと、死球などの報復を受ける場合があります。

最近では、アンリトゥンルールではありませんが、

アナハイム・エンゼルスの大谷翔平選手が三塁打を放った後、

オーバーランの際に「ふざけた」として、

本塁上のクロスプレーでピッチャーに膝を立てられています。

これは確定ではありませんが、報復と見てまず間違いないと考えます。

しかし、大谷は9回1死三塁から暴投で本塁へ突入した際、ベースカバーに入った4番手投手のビエラと激しく衝突し、もん絶。右足を引きずるようにしてベンチへ下がった。今後の状態が心配される。

引用:http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/hochi/sports/20180909-134-OHT1T50060

■英語では「スチール」とは言わない?

スチール(steal)でも通じるようですが、

ルール上は英語では「stolen bases」になるようです。

盗塁成立時の電光掲示板に「SB」と表記されるのはこれの略語のようです。

■トリプルスチールもある?

ダブルスチールがあれば、当然トリプルスチールもあります。

しかし、満塁時限定であることから、珍しいため筆者は見たことがありませんでしたが、

動画がありましたので下記に紹介します。

2011年の第93回全国選手権大会で、静岡高校戦で習志野高校が決めたトリプルスチールになります。

三塁ランナーのスタート、脚力が作戦の肝であることはもちろんですが、

守備側は当然想定していないプレーであることも決まった要因だと考えます。

見たからといって真似できるプレーではありませんが、

頭の片隅に置いておいた方が良いかもしれません。

橘裕司
橘裕司
このスチールはおじさんもおったまげたよ

まとめ

様々なスチール(盗塁)について紹介させて頂きました。

定義を知ることは、プレーの目的やメリット/デメリットを知る上で有効だと考えますので、

スチールに限らず各プレーについて調べてみると新しい発見があると思います。

また、今回の記事で「野球の華はホームラン」であるのは間違いありませんが、

盗塁も同じく「野球の華」であることは分かって頂けたかと思います。

足が使えるチームが強いことは紛れもない事実ですし、

走塁の上手さや嗅覚、

アグレッシブさ等は、

必ずしも足が速くなくても持つことが可能なスキルだと考えます。

野球をやっているとつい「ピッチング」や「バッティング」、

「守備」に目が行きがちですが、盗塁にも目を向けることで、

よりいっそう選手として成長できるかもしれません。

守備側としても、盗塁に着目することで、

守備の際に警戒するポイントが分かることもあります。

いずれにしても、盗塁は攻撃側・守備側問わず活かせるポイントがありますので、

そういった視点でも野球を見てみると、より野球が好きになるかもしれませんね。


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