野球をやっていても守備の時の待機姿勢について、
具体的に教わることは少なく、
あるとすると「つま先加重」と言われることが多いのではないかと思います。
しかし、つま先加重を維持するのは難しく、
実際に試合中ずっと踵を浮かせて球を待っている選手はプロ野球でもいません。
では、一歩目を早くするにはどうしたら良いか?
ですが、「静から動」はタイムラグを要することから難しく、
有る程度動いて「動」の状態を維持しておくことが重要と考えます。
そういった「動」の状態の維持について、
近年では多くプロ選手が活用している待機姿勢として「スプリットステップ」があります。
本記事はスプリットステップの説明と動画の紹介をする事で、
スムーズな導入を助け、守備における一歩目を少しでも早くすることを目的に作成しました。
スプリットステップとは
元々テニスでは一般的なステップ(待機姿勢)なようです。
テニスはボールに追い付き、
なおかつボールを打つために一歩目が重要であることから、
一般的となったと考えられます。
野球はボールに追い付き、捕球する必要があることから、
テニスでも野球でも目指すポイントは一緒です。
そのため、テニスにおいても野球においてもステップ自体は一緒です。
スプリットステップは言葉で説明すると「ボールがバットにあたる直前に跳ねるように飛ぶ動き」になります。
動画だと下記になります。
動画を見れば分かるかと思いますが、
ボールにバットがあたる直前に選手が飛んでいることが分かるかと思います。
なお大事なのはタイミングです。
ボールがバットに当たる直前に飛ぶことが重要であり、
それより早いタイミングでも遅いタイミング意味はありません。
試合だけでなく練習から自分なりのタイミングを計っていくことが重要です。
次項ではこのステップでなぜ一歩目が早くなるか?について説明したいと思います。
理由①「動」の状態を作っておける
冒頭でも解説しましたが、
静から動への移行は一瞬のタイムラグがあり、
一歩目の遅れに繋がるため、
動の状態を維持することが重要です。
ベタ足で待っている時の一歩目と、
有る程度動いている状態の一歩目を比較すれば分かるかと思います。
「膝に手を置くな」とよく言われますが、
それはベタ足ではなく動の状態を維持するためです。
またスピードや反応が重要なボクシング等の格闘技でもベタ足の選手は少なく、
ほぼ全ての選手が適度に動いているからも、
動の状態を維持する重要性は分かります。
理由②両足に均等に体重を乗せられる
着地の際に両足に均等に体重が乗ることから、
左右の打球反応の差異も少なく、
即座に対応できます。
打球が自分の左側に飛んだ時に右側に体重が乗ってしまっていると一歩目が遅くなることは想像できると思います。
また両足に差がないことから前後の動きに対応するのもスムーズに対応できます。
そのため打球が前後左右のどこに飛ぶか分からない中では、
両足の体重を乗せるのが最適といえ、スプリットステップは有効であると考えます。
理由③足に力を貯めておける
通常、ジャンプして着地すれば膝が曲がり、重心が下がります。
棒立ちで一歩目の足を出そうとすると、
地面を蹴るためにまずは膝が曲がることは分かるかと思います。
膝を曲げておけば、
すぐに地面を蹴ることができるためアクションが1個減ることから一歩目が早くなります。
着地してすぐに一歩目を出せることもスプリットステップが有効な理由です。
理由④常に同じ状態を作れる
野球では「できることを確実にやる」ことが重要であると考えます。
待機姿勢を適当にするのではなくスプリットステップに統一し、
練習や試合に臨むことで、プレーの安定感を高めることができます。
まとめ
今回は守備における待機姿勢として「スプリットステップ」を紹介しました。
内野・外野問わず有効な技術ですし、
タイミングを合わせることができれば、
すぐにでも活用できる技術になりますので、是非チャレンジしてみてください。
なおスプリットステップはテニスでは一般的な技術であり、
テニスから野球に応用されてきた技術であると考えますが、
他にもそういった他の競技でも「野球に活かせる技術」は有るかもしれません。
野球が上手くなるためにも、視野を広くし、色々と学ぶことは無駄ではありません。
自分なりの技術や解釈を見つけ、野球に活かすことができれば、
ライバルから一歩抜き出た選手になれるかもしれませんね。
以上、【スピリットステップ】プロ野球選手の守備のフットワークを取り入れよう…の話題でした。
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