こんにちは、橘です。
今回は長期野球経験者に、投球に於けるコントロールの身につけ方の極意を記事にしてもらいました。
投手も方は参考にしてみましょう。
はじめに

投手にとって必要とされる能力は数多くありますが、最も重要な能力は「コントロール(制球力)」であると思います。
なぜなら、どれだけ素晴らしい直球や変化球があってもストライクゾーンに入らなければ意味がありません。
フィールディングが良くても打者が打たなければ意味がありませんし、闘志が剥き出しでも四球を連発していればチームの士気は下がり続けます。
よって、
「コントロール」
が最も重要だと考えます。
しかしコントロールを向上させる方法は多くあり、また人それぞれだと考えますが、誰にでも共通する点としては、
「自分を知ること」
「目標設定の方法」
「フォームを安定させること」
があると考えます。
本記事ではその3点について説明したいと思います。
では、次項より詳細を説明します。
投球で大切なのは自分を知ること

コントロールを良くするにあたって最初にすべきは、
「自分を知ること」
だと考えます。
具体的に言うと自分の、
- 能力
- 特性
- 課題
を把握することです。
この部分の精度が悪ければ、次以降に説明する項目へも影響を与えることから、重要だと考えます。
「自分を知ること」というのは、自分はどういったフォームで球を投げているかに始まり、どういったシチュエーションでコントロールが良くなる・悪くなる、どのコースはコントロールが安定する・しない、を正確に把握していればしている程、練習内容や意識することも具体的になり良いです。
フォームについては、自分の投げやすいフォームはどういうフォームか、良い球が投げられている時はどういうフォームか、球がいかない時はどういうフォームか、球数が増えていくとどういうフォームになるのかを把握していると、問題発見と改善が容易になります。
誰でも動画の撮影は出来ると思いますので、記録を残す意味でも自分の投球を動画で撮影し
、自分で認識してください。
そして、自分の認識通りに身体が動かせているか確認してください。
シチュエーションについては、コントロールに影響する(悪くなる)シチュエーションを把握することで改善点も明確になります。
練習において、意識すべき点や改善すべき点も分かるためこれも重要です。また精神面が影響していることもあります。
精神面に関しては、どれだけ普段の練習からリアルに各シチュエーションを想定できているかが大事だと考えます。
また必要以上にネガティブにならないことも大事です。
本記事の内容とは相反しますが、多くを考えず気持ち良く腕を振った方が良いこともあります。
よってネガティブにならず、ポジティブでいた方が良いことは間違いありません。
投手には、得手不得手なコースがあるケースがあります。
調子に影響される場合もありますが、フォームやメンタル面等の課題が見つかり、それを克服することで解決に繋がることもあります。
よってそれを自分で把握することも大事なことです。
以上により、自分の課題と自分の能力を正確に把握することがまず一歩と考えます。
目標設定の方法

目標は、今持っている課題に対して適切でなければ意味がありません。ここで言う適切とは、「達成可能な目標」であることになります。
「自分を知ること」
が正確に出来ていれば、自分の課題と能力が分かっているはずですので、
「達成不可能な目標」
の設定にならないように気をつければ良いと考えます。
具体的には、例えばストライクゾーン内の投げ分けについては、ストライクゾーンと言うと9個に分割しがちですが、最初は3個前後で良いと考えます。
その分割にて、あらかじめ設定した可能性(例:8割〜9割)をクリアできたら、徐々に6個→9個→12個と分割を増やしていければ良いです。ゾーンは立体で考えるようにしましょう。
引用:ストライクゾーン
また、距離についても同様で、いきなり通常のマウンド距離でこなすのが難しければ、近い距離で確実な履行が出来るようになったら距離を伸ばしていけば良いと考えます。
なお目標設定における注意点は、決して甘い目標を設定するわけでは無いと言うことです。
長期目標と短期目標に分けて設定し、短期目標をこなしていくことで、長期目標を達成できるようにする設定が理想です。
さらに短期目標が具体的で達成するための手法(練習内容)が明確であり、
「あとはやるだけ」
になっていればなお良いです。
その際に達成できない目標は意味がないため、上記のような説明となりました。
なお長期目標と短期目標には日程的な期限を設けることをおすすめします。
日程がなければ人間は必ずダレます。その点にも注意が必要です。
フォームを安定させること

フォームを安定させることが何故大事かというと、毎回同じフォームで投げることが出来ていないと、投球する球が安定しないことは勿論ですが、改善点も改善結果も安定しません。
毎回違う改善点が発生してしまうようでは、コントロールの向上は難しいと言わざるを得ません。
また、折角良い球を投げることが出来るようになっても、再現できなければ意味がありません。
そのためには、自分の良いフォームとして、
「安定して再現できるフォームであること」
という視点も重要な要素になると思います。
なお、フォームの安定性についても、「自分を知ること」は大事だと考えます。
自分のフォームが分かっており、意識通りに身体を動かすことができればフォームは安定していきます。
意識通りに身体を動かすコツは、武井壮さんの話がとても参考になります。
以下は要約です。
- スポーツで技術をあげるのに一番重要なのが思ったとおりに身体を動かせること。
- 例えば、目を閉じて両手を水平に上げてみても、大半の人が「ちょっとずれている」。
- スポーツは、競技中は自分の動きは目で確認できない。
- これで実際に「ちょっとずれている」ということは競技中も思ったとおりに実は動けていない。
- この「ちょっとずれている」状態のまま反復練習しても効果が薄れる。
- ズレてる照準器に慣れただけだから、応用が効かない技術になる
- 実際に武井壮も、10種目競技の全てを練習していたわけではない。
- 武井壮の練習のメインは「思ったとおりに身体を動かすこと」。
- 「思ったとおりに身体が動く」ようになれば、競技場に行ってレベルの高い選手を見て自分も真似すれば良い記録が出てしまう。
最初はゆっくりと、フォーム動作を確認しながら「型」を覚えるのが良いかと思います。
注意点は、
「投球時以外であまり考えない方が良い場合もある」
ということです。
野球から離れている時に考えることで、良いアイディアが得られる場合もありますが、すぐにトライすることができないため、発想が飛躍していき悪いスパイラルに陥ってしまうことがあります。
投球中であれば、アイディアが生まれればすぐにトライすることができ、良いアイディアかそうでないかをジャッジすることができますが、練習外ではすぐにジャッジができません。
その状況で発想が飛躍していくと自分の認識と「自分の良いフォーム」がズレ、フォームの安定性が損なわれる場合があります。
勿論良い方向に進むこともあると思いますので、注意して考えてもらえれば良いと考えます。
まとめ
コントロール向上について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
コントロール向上にあたり、本記事の内容のみが必ずしも正解だとは思いませんが、ヒントにはなるかと思います。
コントロール向上に限らずですが、何か能力を得たり向上させたりというのは、基本的に近道はありません。
トライ&エラーで寄り道・回り道は当たり前だと思います。
しかし無駄ではなく、そのエラーは糧や引き出しになります。
目標達成が出来ない時は苦しくもありますが、その反面トライしている時は楽しくもあったりします。
球児の方達が楽しみながら様々なトライをし、自分の求める能力が得られるように祈っています。