プロ野球コラム

【柔よく剛を制す】ソフトバンク期待の星『大竹 耕太郎』の投球スタイルを紐解く

【柔よく剛を制す】ソフトバンク期待の星『大竹 耕太郎』の投球スタイルを紐解く

アイキャッチ画像参照:https://yab.yomiuri.co.jp/adv/wol/education/people_171212.html

2019年、開幕からローテーションの座を勝ち取り、今季の成績はここまで、7試合に登板して全試合でQS(=クオリティ・スタート:6回を投げて自責点3点以内)を達成。

防御率も1.43と文句のつけようのない数字だが、結果は1勝1敗。

7試合の登板のうち、自責点0でマウンドを降りた試合が3つと素晴らしい投球を続けている。

育成で入団した彼が、ここまでの活躍を見せるとは誰が思っていただろうか。

決して剛速球でねじ伏せるタイプでもない彼が、なぜこれほどまで好結果を残せているか迫ってみる。

投球の特徴

球種はストレート、カーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシームなど多彩。

突出すべきは「ストレート」と「チェンジアップ」。

今シーズンの投球の約半数の45%を占めるストレート。その平均球速は137.2㎞。

投球回数を満たしている12球団の投手の中で一番遅いのだが、被打率はなんと.154と逆に最も打たれていない。

これはリリースポイントが前にあり、縫い目に指先にしっかりとかかっているため、バッターの手元で勢いのあるストレートになっているからだろう。

「速い球はいらない。球威、キレで抑える」

と本人が言うように、結果として表れている。次に多いのが約25%のチェンジアップ。

腕がよく振られた中で放たれるチェンジアップは、打者のタイミングを外している。

また、右打者のインコースのストレートとの組み合わせでバッターは四苦八苦している。

 

打たれにくいストレートはどうやって手に入れた?

久保康生2軍投手コーチとの出会いと、本人の弛まぬ努力でストレートに磨きがかかった。

久保コーチから、踏み台を使っての投球フォームの強化の仕方や、長い棒を使って横振りにならない身体の使い方などを指導してもらった。

教えてもらったことを、身に着けるべく努力を重ねた。

「日々の取り組みも意識高いし、僕らも大竹の練習を見てまだまだやらなきゃと感じました」と、

チームメイトでベテランの長谷川勇也が言うほどの努力が実を結び、力を抜いて投げても、球威のある球が投げられるようになっていった。

磨きのかかったストレートに差し込まれてしまい、嫌なイメージを持っている打者を多いだろう。

球威だけでなく、昨春のキャンプで130㎞台だった球速は143㎞にアップした。

球威の根拠となる球の回転数を測ったところ、ストレートが約19回転。早大の先輩であるチームメイトの和田毅選手が20~22回転ということで、それに迫る好数字を記録した。

数字が示す通り、思い描く「球速以上に速く見せるストレート」が完成しつつある。

 

高校時代〜熊本・済々黌高校〜

高校は熊本・済々黌、2年夏と3年春に連続で甲子園に出場した。

2年夏の3回戦では、のちに春夏連覇を果たす大阪桐蔭と対戦した。

試合は2-6で敗れたが、最速130㎞中盤の直球に変化球やスローボールに加え、踏み出す右足の着き方のタイミングを変えるいった投球術で6三振を奪った。

奪投球術が話題となり、軟投派が強豪打線を倒すヒントとして称賛された。

高校時代、コンディショニングを担当した小山征二さんは「魅力は身体の柔らかさです。高校時代は筋トレはやらず、自重トレやストレッチばかりやっていました。その効果で身長も7㎝伸び、手足の長さも武器になりました」と進化を説明する。

また、「ダイヤの原石。化石に近い原石でしたけれどプロ野球選手になれた。

こういうピッチャーでも活躍できるんだ、というところを見せられれば、野球少年たちの希望になる」と、賞賛している。

 

早稲田大学時代

早稲田大学2年時に春秋リーグ戦、全日本大学選手権も制し注目度は高かった。

その後、左肩の故障から不調に陥った中、育成指名される。山本省吾スカウトのドラフト指名理由は

「緩急やクレバーな投球術を強みとする貴重な技巧派サウスポーだと思っています。ホークスにいないタイプ。長い間注目してきた中で、状態の悪いときにも真摯に練習に取り組む姿勢も見ており、その人間性も高く評価しています」。

と、伸びしろを期待され指名に至った。本人は

「自分に求められるのは150㎞のボールを投げることではなく、緩急や投球術などで抑えていくことだと思うので、そういった部分をこれから磨いていきます。

ヤクルトの石川雅規投手のように、球速は140㎞ぐらいでも直球のキレや変化球のコントロールで抑えていけるような投手が理想です。

 まずは怪我をしない体作りに励みます。

大学では2年生でたくさん投げたため、3年生で体がもたずに怪我をしてしまいました。

プロは一度怪我をすると、そこから上がっていくのは難しいと思うので、しっかり土台作りをし、怪我をしない体作りと体の使い方を覚えていきたいです。

併せて筋力アップをして、シーズンを通して怪我なく投げられる体にしていきたいです」。

とコメントしており、自分自身の特徴や何が必要なのか認知しているように思う。

入団後、2018年7月29日に支配下登録され、一軍は西武ライオンズとの一戦が初登板・初先発になった。

8回2失点、育成出身初となる一軍公式戦初先発・初勝利と、華々しいデビューを飾った。

 

5まとめ

モットーとしている言葉、それは「柔よく剛を制す」だ。

高校時代は球が遅く、182㎝、68㎞と細身だったこともあり、ドラフト候補になれなかったが、大学を経て育成ドラフト4位で指名された。

大卒から育成ということで、周囲から批判や疑問視されていたと、初勝利の時に述べている。

「どうせお前にはプロなんて無理だ、通用しない。

そんな言葉を沢山うけて、僕には無理なのかなと諦めかけた時期もありましたが、辛い時も折れずに自分を信じてやってきて良かったなと思える初登板初勝利でした。

これから壁にぶつかる事も多々あると思いますが、常に自分を信じて頑張っていきたいです」と、自分の決断は間違いではなかったと証明した。

育成の星として、今ではチームに欠かせない選手となった。


参考サイト:

https://yab.yomiuri.co.jp/adv/wol/education/people_171212.html

https://www.nishinippon.co.jp/nsp/hawks_flash/article/469933/

https://www.nishinippon.co.jp/hawks/article/442707/

https://www.waseda.jp/inst/athletic/news/2017/11/16/11516/

https://www.nikkansports.com/baseball/column/yuki/news/201808010000641.html

 

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