野球に限らず、スポーツはメンタル面が本番でのパフォーマンスに大きく影響されます。
従い、指導者としては選手に技術の指導をするだけではなく、
メンタル面も考慮して指導に当たることが重要となってきます。
今回は、そもそもスポーツにおけるメンタルとはどういうことなのか?
具体的にどのように選手のメンタル面を考慮して指導していくべきなのかを解説していきます。
はじめに
野球に限らず、どの競技でもフィジルカル面を強化する方法や理論は、
関心の高まりとともに常に更新されています。
それと同時に、
以前に比べるとメンタル面のトレーニングやケアについても関心が高まっていると感じます。
以前であれば、指導者は選手のメンタル面まで配慮する方が少なかったかもしれませんが、
現在ではそういうわけにいきません。
また、経験者なら分かる人も多いかと思いますが、
野球はメンタルが成績に直結する部分もあります。
プロであっても環境が変わったことでブレイクする例はありますが、
それもメンタル面の変化が要因としてあると思います。
では、
「メンタル面について指導者の立場でどういった点をケアしたら良いか」
ですが、
これは自分がそういった指導を受けてない人はなかなか対応するのは難しいのではないかと思います。
本記事は指導者の立場で「選手のメンタル面においてケアすべきこと」について説明したいと思います。
もちろん正解はこれだけではないので、
「正解の一つ」として捉えて頂き、
指導のヒントにしてもらえればと考えております。
では、次項より説明させて頂きます。
最も大事なこと
野球だけでなく、何かを上達するために向上心を持つことは大事なことです。
では向上心を持つにはどうしたら良いか?
ですが、「野球を好きになる」とか「目標を持つ」等ありますが、
もっと根源的なものに「自分はできる」といった自己肯定感やポジティブ思考があると思います。
(自己肯定感とは「自分には価値がある」と思う気持ちのことです。「自分はできる」と考えることは自分の価値を認識することと同義と考え、この言葉を以下で使用します。)
「100%できない」と諦めてしまっていることに対して向上心を持つのは難しい、
というか無理だと思います。
何かを上達したいと思った時、「自分ならできる(できそう)」と考えることが多いと思います。
例えば、「『自分は上手くできる』から人より上手くなりたい」であるとか「『自分は○○できる』から××できるようになりたい」といった思考があります。
向上心に繋がるだけでなく、
こういったポジティブ思考がであったり、
自己肯定感が高いことのメリットは二点あります。
一点目は「視野が広がる」ということです。
精神的に追い込まれる余裕がなくなり、
情報の処理がスムーズにいかないことは分かるかと思います。
精神的な余裕があり、たくさんの情報を頭に入れることができ、
結果的に視野が広くなります。
それは野球の上達にも役に立つことがありますし、
その他の生活でもかならず役に立ちます。
二点目は「他者も肯定できるようになる」ということです。
自分を肯定できない人間が他者を肯定するのは難しいです。
しかし他者を肯定し同調することは団体競技では不可欠ですし、
他者を認め良いところは真似することも上達には不可欠です。
よって、他者を認める(肯定する)ことも重要だと考えます。
よってポジティブ思考や自己肯定感を育むような指導が良いと考えます。
具体的な指導方法
ポジティブ思考や、自己肯定感を高めることは、
文字にすると簡単なように思いますが、実は難しいことです。
文部科学省所管の独立行政法人が平成29年度に高校生として実施した調査によると、
日本の高校生はアメリカ・中国・韓国の三か国の高校生と比較し、
自己肯定感が低い傾向が確認されたそうです。
なお理由としては、
日本人は謙遜しがちな国民性もありそういった結果になっていると思います。
また日本の高校生が「誇れること」や「できること」が少ないことも理由になるかと思います。
いずれにしても野球において「放っておけば勝手に自己肯定感が高くなる」なんていうことはなく、
放っておけばほぼ間違いなく自己肯定感は低くなります。
では、指導にあたって何を気を付けるかですか、
それは「できていないことにのみ焦点を当てないこと」が重要だと考えます。
一つのプレーで0点か100点かを付けるのではなく、
できていることを認めた方が良いと思います。
例えば、
「キャッチングはできているけど、スローイングがまだまだ。でもフットワークを練習すればもっと良くなる。」
といったように、
「できていること」と「できていないこと」と「できるようになる方法」を提示すれば、
選手は自然と「自分はできる」といった視点から課題に向き合うようになります。
自己肯定感が高いことにはデメリットとして、
増長すると逆に他者を認めなくなり、
自分の下に置くようになったりするという点があります。
これは「できていないこと」も明確にすることにより増長を押さえること効果があります。
いたずらに誉めるのではなく、「できていないことの共有」といった点にも注意してください。
なお野村克也氏は著書の「野村ノート」に指揮官として意識したこととして、
「士は己を知るもののために死す」とコメントしています。
意訳すると「自分のことを分かっている人の言うことは聞く」という意味ですが、
「自分のことを分かっている人の元なら働きやすい」といった意味にも取れると思います。
上記のように選手と、
「できていること」、
「できていないこと」、
「できるようになる方法」、
を選手と共有できていれば、
選手かは「分かってもらえている」といった感覚を感じやすく、
野球をやる環境としてもより良い環境になると環境になると考えます。
まとめ
野球を指導する立場から、
指導対象である選手のメンタル面をフォローする指導について説明させて頂きました。
本記事に書いてあることを実施するには、
選手を認め、選手の目線に立つことが重要です。
なお自己肯定感が高いことのメリットとして、
「他者を認めることができる」と説明しましたが、
「他者を認めること」は指導者にも大事なことになります。
つまり指導者がまずはポジティブ思考かつ自己肯定感を高めていかなければ、
良い指導にはならないと考えます。
よって、まずは自分を認め、できることを認めることから始めるのが良いと考えます。
それからできることを増やしていければ、
きっと良い指導者になれると考えます。
以上、野球の指導・スポーツは選手のメンタル面も考慮することの重要性…でした!
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