野球における打者用ヘルメットは、
長年それほど形状の変化は無く、またその差異による機能の違いも分からないものでした。
しかし、2018年シーズンは形状の急激な変化が流行りした年となりました。
その変化が、耳当てを延長し顎部分までガードするようになったヘルメットです。
本記事はヘルメットやその形状の差異について解説と歴史をまとめたものになります。
そもそも打者用ヘルメットとは?
打者用のヘルメットは、見れば一目瞭然ですが、ピッチャーが投げる球から打者の頭部を守る目的で存在しています。
中学校の軟式野球や草野球では着用が義務となっていないリーグや運営もありますが、硬式野球では基本的に着用義務があります。
なお出塁時にも同様で着用義務があります。
一般的にはピッチャーが投じた球の衝撃を逃がすために丸い形状をしており、
表面は樹脂に覆われ内側には緩衝材が設置されています。
その他には耳あてがあり、通気用の穴があいている物もあります。
なお打者だけでなくベースコーチにも着用が義務づけられています。
また、練習時に打撃ピッチャーやバッティングマシンに球を供給する係にも、
自主的に着用を義務付けている高校が多いと思います。
過去には打撃ピッチャーがL字のネットを利用しヘルメット無しで投げていたところ、
ピッチャーライナーが頭にあたり亡くなった事故もあります。
耳あてについて
過去のプロ野球(〜1970年代)の動画を見ると耳あてのないヘルメットを着用した選手しかいません。
耳あて付きヘルメットが増えたのは、
1970年に当時阪神タイガースに在籍していた田淵幸一選手が頭部に死球を受けたことに起因しています。
この時田淵選手は耳から血を流したまま、倒れ込み自力では動けない状態でした。
この死球以降、耳あて付きのヘルメット着用が義務付けられました。
ちなみに、衣笠選手は「視界が遮られ、頭部付近のボールを避けられなくなる」と、
耳あて付きのヘルメット着用を拒みました。
これにより当時のプロ野球機構は、プロ野球で一定年数を経た選手のみ耳あて無しのヘルメット着用を許可しました。
そういった経緯もあり、耳あて有り/無しの選手が混在していたこともありますが、
現在では耳あて無しのヘルメットを着用している選手はいません。
なおプロ野球では片耳側にしか耳あてがありませんが、
高校野球ではルール上、両側に耳当てが必要ですので注意が必要です。
顎ガード
2018年に流行した顎のガードですが、
これは「顎ガード(付きヘルメット)」、
「フェイスガード(付きヘルメット)」と言われることが多いですが、
「C-Flap」が正式名称のようです。推測ですが「顎」は英語で「Chin」なので「C」はその頭文字かもしれません。
ちなみにC-Flapは下記のように購入可能です。
なおプロ選手もアマゾンで購入している選手がいるそうです。
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さて、このC-Flapですが最初に流行したのはメジャーリーグとされています。
メジャーの強打者が軒並み使用し始め、日本へ輸入。
ヤクルトのバレンティン選手、オリックスの吉田選手、ソフトバンクの柳田選手、カープの丸選手・鈴木選手など、日本の強打者も軒並み着用しています。
なお以前では当時福岡ダイエーホークスに在籍していた秋山幸二選手が着用していたことでも有名です。
1998年に当時西武ライオンズ在籍だった松坂大輔選手の投球が顔に当たる死球となり、
秋山選手は骨折。骨折から復帰した際には、顎ガード付きのヘルメットを着用していました。
なおこのC-Flapですが一般的に言われている。
メリット・デメリットは下記の通りです。
下記を呼んでメリットの方が大きいと思ったら、導入を検討してみても良いと考えます。
◆メリット
・顎付近への死球での故障リスクが下がる
・顔が守られることにより、死球への恐怖心が薄れる
・視界が少なくなることにより、集中力が高まる
◆デメリット
・重量が増える
・肩に当たったりスイング動作の邪魔になる
・視界が狭まることで、見極めや頭部付近のボールの邪魔になる
形状以外の特徴
形状以外でメットの差別化としては色があります。
プロ野球の各チームは、チームカラーのヘルメットを使用していますが、
その中で特徴的なのは広島東洋カープのヘルメットです。
カープと言えば赤がチームカラーですが、ヘルメットの赤は少し特徴があります。
それは「マツダ車の純正色を使用している」という点です。
一般的な赤よりも濃くメタリックが入った塗装となっています。
なおマツダは広島に本社があり、カープの株主でもあり、
球場に名前が入っていることからも深い関係であることが分かります。
カープとしても特徴的であり、マツダファンにとっても嬉しく、
お互いに有効な上手いタイアップであると考えます。
購入にあたって
ヘルメットの購入に当たっては、必ず参加する運営やリーグに合わせてルールを確認してから購入してください。
また購入にあたっては野球用品として有名なメーカーの製品の購入をオススメします。
値段だけをみれば海外製等無名なメーカーの安い製品もありますが、
野球用品の各メーカーはノウハウや実績が十分にあります。
頭部は急所であり、いくら守っても足りない部位でもあります。
よってヘルメットは安全性を第一に選択することが重要だと考えます。
その他には軽さ・フィット感・形状があると思います。
やはり軽ければプレーの邪魔になりにくいですし、フィットしていないメットは重量を感じやすく、
実際の頭部へのデッドボール時にも故障リスクが上がります。
形状については、各社見た目が若干ですが違うので、好みで選んでも良いと考えます。
まとめ
今回ヘルメットについて記事を作成しました。
一見ヘルメットには「頭を守る」という機能しかないように思いますが、
実際には恐怖心を薄めたり、視界を狭め集中力を高めたりする機能もあります。
また各社で若干ですが差異もあるので比較して検討することが重要です。
なお最後になりますが、ヘルメットを選ぶ際はくれぐれも安全性を最も重要視して選んでください。
バイクの話しですが「ヘルメット(装具)の値段は命の値段」という言葉もあります。
高ければ良い、という問題でもありませんが、
多くの場合で安全性は値段に比例します。
安全製を念頭にしつつ、機能や形状を比較し、納得のいくヘルメットを選んでください。

以上、野球ヘルメットにも流行りがある!?耳あて有りが普及した経緯と2018年に流行した顎ガードについて解説…の話題でした。