こんにちは、橘です。
今回は、「キャッチャーミット」について経験豊富なキャッチャーでも有り、中学時代からキャッチャーミットのオーダー経験のある元球児に記事を書いてもらいました。
これからキャッチャーミットのオーダーを考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
野球をやっている方で「一度はやってみたいこと」といえば、グラブのオーダーだと思います。
しかしオーダーは市販のグラブと比較すると高額であり、また、選択の自由度が広すぎるため、迷ってしまったり、購入した後に「こんなはずでは…」と後悔することがあります。
本記事ではキャッチャーミットのオーダーに的を絞り、後悔しないオーダーのコツやオーダーの注意点について説明をしたいと思います。
Contents
「オーダーをする理由」が一番大事

まず最初に、あなたが初めてキャッチャーミットを買うのであれば、オーダーはオススメできません。
その理由は「自分にどういったミットが適しているか」をまだ理解していないためです。
キャッチャーミットは内野や外野といったポジション用のグラブとは大きく異なり、一度使ってみないことには、自分が「どういった捕り方をするか」や「どのようなミットが合うか」が分かりません。
反対に、キャッチャーミットを使っていると「もう少し○○なミットが欲しい」等必要なことが把握できるため、「欲しいキャッチャーミット」が徐々に明確になります。
また、市販品で自分の要望が満たせるのであれば、高い値段を払ってまでオーダーをする必要はありません。
例えば刺繍を入れたいだけであれば、市販品に刺繍をしてくれるショップもあるので選択肢に入れてみましょう。
さて上記を読み、冷静に考え、それでもオーダーがしたいのであれば、それはするべきだと思います。
オーダーをするにあたり最も大事なのは「オーダーをする理由」であると言えます。
その点が明確で有れば有るほど、後悔するリスクを減らすことができます。
次項からは「欲しいミット」のイメージをより具体化するアイディアを説明します。
オーダーで選択する項目

オーダーで選択する項目は大別すると下記です。
1項目ずつ、選択のコツについて説明したいと思います。
- ミットの形
- メーカー
- 配色/刺繍
ミットの形
「どんなミットが欲しいのか」を自問自答した時にまず考えるのはミットの形(型)だと思います。
キャッチャーミットの形については下記の項目(種類)があります。
各項目について、メリット/デメリットを記載しますので、欲しいミットの形について考えるヒントにしてください。
縦型か横型
縦型はメジャーのキャッチャーに多く、横型は国内のキャッチャーに多いです。
差異としては、親指の芯が短く、曲がっているのが縦型となります。
縦型の方がポケットはウェブ側にある傾向が有ります。
縦型と横型で大きなメリット/デメリットもないため、好みで選択して良いと思います。
ポケットは深いか浅いか
ポケットが浅いことのメリットは、捕球の感覚が掴みやすく、スローイングへの移行がスムーズになります。
また、必然的にミットを開きやすくなるため、間口が広くなり、捕球音が良くなりやすいです。
デメリットとしては、弾きやすく捕球が難しくなるということです。
ポケットが深いことのメリットは、確実な捕球をしやすくなることです。
内外野からの返球やショートバンドの処理等では大きなメリットになります。
デメリットは、スローイング時の持ち替えのスムーズさがポケットの浅いミットに劣ることです。
芯は厚いか薄いか
芯が厚いことのメリットは、捕球時のホールド感があることから、確実な捕球がしやすいです。
デメリットは間口が狭くなることから、親指側や4本指側の芯にあたりやすく、良い捕球音を得るためには技術が必要です。
芯が薄いことのメリットは、必然的にサイズが小さくなり操作性が良いことと、間口が広くなることから良い捕球音が得られやすいことです。
デメリットは、捕球時のホールド感が乏しいことです。
また、ポケットが深いミットになると、捕球時にポケット内で球が遊びやすくなるため、ポケットが深く芯が薄いミットには注意が必要です。
全体のサイズ
大きいことのメリットは、投手からの的が大きくなること、捕球時にミットの移動量が小さくすむことです。
ミットの移動量を小さくすることは、捕球時のフレーミングに非常に有効です。
デメリットは重くなることから、操作性が悪くなることです。
小さいミットのメリットは、軽いため操作性が良くなります。
デメリットは、投手からのマットが小さくなること、捕球時にミットの移動量が多くなることです。
ウェブ形状



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パッ思いつく形状は上記3パターンですが、正直なところ、形状による差異は分かりません。
それよりも大きさの方がキャッチングへの寄与率は高いと考えます。
また、キャッチャーはウェブ紐を緩めることで、開きやすさやショートバンドでの対応やすさを調整する事があるので、ウェブ形状に好みがなければ、ミットの形状やウェブ紐の張り具合とのバランスで選択すれば良いと考えます。
バックスタイル

オーソドックスな形状であるファーストバック(ライナーバック)、最近増えてきているベルトタイプがあります。
バックスタイルは手とのフィッティングに直結するため、自分に合うものを選択するのが良いと思いますが、通常時に最も視界に入る部分でもあることから、気に入ったデザインであることも大事だと思います。

例えば、特別なバックスタイルが選択できるメーカーがあり、ハタケヤマのシェラームーブ等が一例になります。

ベルトタイプでマジックテープを採用しているメーカーも有りますので、実用性やデザインを重視しつつ自分にあうバックスタイルを見つけてください。
メーカー
オーダーは様々なメーカーですることが可能です。
メーカーとシミュレーションと使用選手を下記に羅列しましたが、実際はもっとあります。
また、どのメーカーがオススメか、についてですが、やはり「自分に合うメーカーがオススメ」となります。
同時に自分の好きな形や皮質、ブランドであったり、好きな選手が使用しているといった理由でも良いと思います。
「ミットと言えば○○」と言った意見もあると思いますが、プロですら数多のメーカーのミットを使っているわけで、自分に合うミットのメーカーがたまたま○○だった、という理由でも良いですし、メーカー決めうちのオーダーでも良いと思います。
ミズノ
オーダー:ミズノオリジナルシミュレーション
(シミュレーション有り)
使用選手:巨人・阿部選手、ロッテ・田村選手
ローリングス
オーダー:カスタムグローブス
(シミュレーション有り)
使用選手:カージナルスのヤディアー・モリーナ
ZETT
オーダー:ゼットグラブシミュレーション
(シミュレーション有り)
使用選手:巨人・小林選手、西武・森選手
久保田スラッガー
URL:スワロースポーツ
(シミュレーション無、公式HPではありません。)
使用選手:楽天・足立選手
ハタケヤマ
URL:HATAKEYAMA
(シミュレーション無)
使用選手:オリックス・伊藤選手、西武・炭谷選手
配色/刺繍
オーダーは配色の自由度も高く、また特別感も出るため是非頭を悩ませたい要素だと思います。
また意外と見落とされがちなのは、防具の色やユニフォームとのマッチングです。
見た目もそうですが、投手からの視認性の観点からもマッチングは大事です。
本項では実在のカラーパターンについて数点紹介します。
古田敦也

青のミットといったら、有名なのは古田選手です。「青は落ち着く効果があるから古田のミットは青なんだ」と聞いたことがあります。真偽は不明ですが、拝承に機能性を持たせるのはさすがといった印象です。
矢野燿大

矢野選手は青いミットも使用していましたが、どちらの色もターゲットの白がありました。白に限らず、捕球面の色を分けることで、ピッチャーからの視認性も抜群で、こちらも機能的なカラーパターンだと言えます。
城島健司

引用:http://kim9.gozaru.jp/4237873.html
城島選手はミズノ→ナイキと使用メーカーが変わりましたが、一貫して赤いミットを使用しています。赤いミットはかなり珍しく、城島選手以外では心当たりがありません。
最近の傾向

近年のミットは黒×タンが多いと感じています。適度な派手さがあり、また使い込んだ色も渋く、「ちょっと遊びたいけど派手なのは…」といった方にはオススメかもしれません。
ミットが届いたら

調整できる部分は調整しながらガンガン使っていくべきだと思います。
ミットは新品状態では固いことが多く、また試合中の捕球回数が多いことから、手に合わないミットを使うのは難しいです。
どんどん使って手になじませていきましょう。
使った後のメンテナンスは、通常のグラブと同様です。
ブラシやタオルを使用し、埃や泥を落とし、ローション等で更に汚れを落とし、1~2週間に一度オイルを塗って上げれば良いですが、3点注意があります。
1点目は、ボールを受ける回数が多いので、汚れを残したまま使用しているとこびりついてしまうため、汚れはなるべく入念に落とした方が良いです。
2点目は、オイルと捕球音の関係です。
私のミットは、オイル塗って1日目の捕球音より2日目以降の方が、捕球音が鳴りやすい傾向がありました。
皆さんもミットの癖を考えながらメンテナンスすると、より良い関係になると思います。
3点目は塗るオイルの量です。
キャッチャーミットは皮の面積が大きいため、オイルを塗る量が増えがちです。
しかし一度塗ったオイルのは抜くのが困難で、汚れやすくもなります。
また、重量も増えてしてしまい操作性も落ちてしまいます。
ミットは捕球回数が多いため、皮の破れや紐が切れたりといった故障が発生することがありますが、メンテナンスにより寿命を延ばすことができますし、故障の早期発見にも繋がります。
是非積極的にメンテナンスをしてあげてください。
ミットオーダーの注意点

ミットの配色と刺繍について
草野球や趣味での使用で有れば関係はありませんが、学生野球だと色や刺繍やロゴのサイズについてルールがあるので注意が必要です。以下ルールの抜粋です。
使用制限12.グラブ、ミット項より
「カラーグラブ、ミットは使用できない。ただし黒については使用しても構わない。グラブ、ミットに表示する商標は、布片、刺繍または樹脂の成型物のほか、連盟が認めたものとし、これを表示する箇所は背帯あるいは背帯に近い部分、または親指のつけ根の部分のうちいずれか1箇所とし、その大きさは縦4センチ、横7センチ以内とする。
投手用グラブで本体と異なる色のしめひもについては、公認野球規則1・15の通りとする。ただし、しめひもが本体と同系色で目立たないものについては差し支えない。投手用グラブのはみだし部の色は、グラブ本体と同系色で目立たないもの、もしくは革の自然色とする。
また、縫い糸の色については特に制限を定めない。投手用グラブに商標を布片または刺繍によって表示する場合、その色は文字の部分を含み、すべて白または灰色以外の色でなければならない。品名、品番、マーク類などをスタンプによって表示する場合の色は、黒または焼印の自然色でなければならない。
野手のグラブのしめひもは、本体色と同系色とする。ただし、黒と茶系色のしめひもに限っては本体色にかかわらず使用できる。しめひもは、長すぎないこと。親指の長さ程度にすること。また、グラブ、ミットの表面(受球面・背面)に氏名、番号、その他の文字を表記することを禁止する。」
なお、ルールは年ごとに更新される可能性があるため、オーダー時には自分で確認しオーダーをするようにしてください。
短所を軽視しない
すでに使用しているミットがあり、それについて要望がある場合、極端すぎる変更には注意が必要です。
上記で述べたように、ミットには個性があり、それは一長一短です。
短所を軽視し、長所を追い求めると、使いにくいミットになりかねません。
オーダー時には短所をしっかり認識し、選択してください。
人の声に惑わされない
オーダーにあたり、周りの人間に様々なことを言われることも有るかと思いますが、結局のところ買うのも使うのも自分です。
自分で決めたことなら納得がいくことも、他人が決めると納得がいかないこともあります。
よって、迷ったら自分の意見を貫きましょう!
終わりに
長々と説明させて頂きましたが、皆さんが後悔のないオーダーができる一助となれば幸いです。
用途や要望は人それぞれですが、皆さんが「オーダーして良かった」と思えるミットに出会えることを願っています。
以上、【グラブオーダー】元球児が教える!キャッチャーミットオーダー方法…の話題でした!
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