野球の技術解説

バッティングフォームの各動作と基礎を覚えて打撃上達しよう

バッティングフォームの各動作と基礎を覚えて打撃上達しよう

「バッティング理論(フォーム)」というものは多くあり、また人によって「合う合わない」があり千差万別です。

誰かの真似をする事によって得るものは必ずありますが、だからといって必ず打てるようになることはありません。

人の助言や、自分で調べたことも同様です。

誰かの成功体験をベースとしたものであったとしても、自分の成功体験に直結するわけでは有りません。

それには、二つの理由があると考えます。

それは「筋力」や「関節の稼働域」や「動きの癖」等の「身体的理由」と、「技術」や「経験」等の「技術的理由」の二つです。

それぞれが自分に近い選手の指導を受けたり、真似をすることで自分なりのバッティングフォームが見つかることもありますが、成長や上達、環境の変化でフォームが合わなくなることがあります。

こういった時、フォームにおけるそれぞれの動きに根拠(理由)がないと、また自分に合うフォームを探すことになり、見つけるために長い時間を要することになります。

自分が何故その動きをするのか?何故その動きだと体が動かしやすいのか?理解することは、野球の理解がより進むと考えます。

よって本記事はバッティングの基本に立ち返り、自分のフォームを探す手助けとなることをまとめました。

既にフォームが決まっていて現在悩んでいる方にも参考としてもらえればと思います。

判断基準

バッティングフォームについて、万人にとっての正解はありません。各々が「自分なりの正解」を見つけることが重要です。

そこで、「自分なりの正解」を見つけるために、その判断基準について説明します。

そのフォームで良いか良くないかの判断基準としては「結果が出るのか」、「自分に合っているか」、「怪我に繋がらないか」であると考えます。

それぞれについて詳細を説明したいと思います。

◆結果が出るのか

結果とはヒット等のことですか、バッティングにおいてヒットが出やすいことは、怪我に繋がらない限り全てに優先されると考えます。

また「再現性」も大事です。

一回の結果が「フォームのおかげなのか」もしくは「たまたま」なのか判断が重要です。

良い結果の再現性を高めるためには、「なぜ良い結果が得られたのか」を自分で分析し、プレーの精度を高めることが重要です。

◆自分に合っているか

「身体的理由」もあり「合う合わない」も当然あります。

自分に合えばもちろん良いですが、それだけ優先すると成績に繋がらなかったり、怪我をしてしまったりします。

しかし結果が出るフォームが自分に合っているとは限りません。優先すべきは結果と考えますが、ネガな部分が大きい場合は「自分に合うかどうか」を優先した方が良いと考えます。

◆怪我に繋がらないか

どんなに良いフォームであっても怪我に繋がるのであればやるべきではないと考えます。なお身体の出来でも怪我のしやすさは変わります。

そういった場合は身体を強くすることを優先するべきと考えます。また身体の成長とともにフォームが変わっていっても良いと考えます。

自分のフォームを作る際は、上記の基準に照らし合わせて固めていけば、「自分なりの正解」に近づけると考えます。



バッティングとは

まずバッティングとは、非常にシンプルに言うと「飛んでくるボールにバットを当てる作業」です。

当てる(コンタクトさせる)だけであれば、バントのようにすれば当てやすいですが、それだけでは飛距離が出ないため、ヒットにはなりにくいです。

そのため打球速度を上げるために「振る」という動作が必要になります。振るためには助走区間が必要なため、バットを引く(テイクバック)必要があります。

また実際はボールのスピードも様々で投げる人も様々なため、タイミングも重要です。タイミングについては、以前本サイトで解説したことがありますので、良かったら読んでみてください。

→ 『バッテイング上達の野球基本知識』シンクロ打法・打撃のタイミング



構え

構える際に気をつけるのは、「両足の幅と動きの有無」、「重心の高さ」、「バットの位置と動きの有無」だと考えます。それぞれについて説明します。

◆両足の幅と動きの有無

両足の幅は広ければ良いということもなく、適正な幅が各個人にあります。インパクト時の幅やテイクバック時の幅と足の動きから逆算していくことが重要です。

動きの有無については無くても問題はありません。しかし、静から動への動きの切り替えは難しいと考えますので、その点を重要視する人は多少動いていた方が良いと考えます。

また後述しますが、多くの選手は足かバット、もしくはその両方を動かしタイミングを取っています。自分がどちらでタイミングを取りやすいかを考える必要が有ると考えます。

◆重心(腰)の高さ

重心もスイング時の動きからの逆算が良いと考えます。重心が低い方が強いスイングでも安定感は得られ、地面の反力を得やすいイメージがあります。

一方腰が高いと不安定方向とは考えますが、懐が広くなりヒットゾーンが広がるイメージがあります。

◆バットの位置と動きの有無

一昔前はバットは高く、ヘッドは直立の方が良いとされていました。

これは「ボールの上から叩く」という意識が強かったことが要因と考えますが、バットの位置についてはテイクバック時から逆算すると良いです。

テイクバック時の動作を少なくしたければ、バットは捕手側に引いた位置で構えた方(あらかじめ引いておく)が良いですし、バットが下がるようなテイクバックなら最初から下げておいた方が良いこともあります。

身体に巻き付くイメージが欲しければ胴体近くにバットを位置した方が良いですし、リラックス感を重要視する場合は、身体からバットを離しても良いと考えます。

動きの有無については足と同様で、「静から動への移行」、「タイミング」で考えれば良いと考えます。

テイクバック

テイクバックは「バットを引く」、「強いスイングのためにバットの助走区間を作る」作業になります。より具体的に言うと、腰を捕手側に回転させ力を貯める作業と、押し手側の肩甲骨を動かし、バットを捕手側に引いて力を貯める作業の組み合わせになります。

ポイントとしては、「バットを含めた上半身の動き」と「腰を含めた下半身の動き」だと考えます。

上半身の動き

バットを引く時の注意点は「バットを引く方向」です。

バットを引く際は捕手側に引くのが基本ですが、捕手側ではなく背中側に引いてしまう意識が強いと、スイング時にバットが遠回りする傾向が強くなります。

また、テイクバック時のグリップが身体から離れ過ぎていても、強いスイングとなりにくいため注意が必要です。

ヘッドの角度(どの方向に倒れているか)は、以前は「より地面と垂直に近い」方が良いとされていました。

最近では、かなり投手側や打者の背中側に倒している一流選手も多く、角度は重要ではないかもしれません。

ただし、垂直に近いテイクバックを取る選手はコンパクトなスイングであるイメージもあります。

なお近年の「フライボール革命」ですが、該当していると言われる選手は捕手側のわきの下を開く(肘を上げる)ようなテイクバックが多いと感じます。

→ 最強打撃理論?シンクロ・ツイスト・うねり打法とフライボール革命を解説

◆下半身の動き

軸足(捕手側の足)への十分な加重が必要になります。

投手側の足を上げるかどうかですが、これは下記のメリット・デメリットがありますので、自分の特性等を考え選択すれば良いと考えます。

■メリット

・軸足への加重等、体重移動をしやすい=強いスイングがしやすい
・腰のひねりを作りやすい=強いスイングがしやすい

■デメリット

・目線がブレやすい=ミスショットが増える可能性がある
・動きが大きく多くなる=緩急への対処が難しくなる

なお足を上げる・上げないに関わらず、投手側の足が設地する際は、つま先の向きが重要です。つま先が投手側を向いてしまうと、腰が開いてしまうことから「タメ」がなくなり、強いスイングができない・緩急への対応ができないという弊害があるためです。そのため、つま先の向きは腰が開かない程度、ホームベース側に向けた方が良いと考えます。



スイング

スイングについては、「ボールが通るであろうポイント」にバットを出すスイングが求められます。投手が投げたボールは極端に言うと、上から下へ移動します。

よって若干下からバットを出した方がコンタクトの確率は高まるはずです。

あとは、無駄な動きは少なく、コンパクトなスイングの方が良いと考えますが、人によってはそれが窮屈な選手もいます。

また野球経験の有る方は少なからず経験があると思いますが、十割で振るより八〜九割のスイングの方がバットがスムーズに出て、かつ飛距離が出ることがあります。

この点はプロでも全力で振る(と言われている)選手がいますが自分のタイプに合わせた力で振れば良いと考えます。

→ 【野球・打撃】バッティングにおけるスイングの軌道・理想のバットの出し方練習法

身体の使い方としては、上半身が下半身に対して投手側に先行(突っ込み)はNGです。

また投手側が開いてしまうと、バットが遠回りする傾向とバットのヘッドが下がる傾向が強くなるためNGです。

なお多くのプロ選手のスイングを見るとインパクト直前に上半身が捕手側に倒れていることから、「軸足に加重したままスイング」していると勘違いしている方がいますが、これは誤りです。

極端に言うと、軸足に乗っている体重は投手側の足へ一度乗り、膝が伸びるのに合わせた腰の回転でバットがインパクトのポイントに近づくにつれ、バランスを取るために上半身が捕手側に倒れています。

よって体重移動の無いスイングは基本的に存在しません。メジャーの強打者はステップ幅が小さい場合も多く、余計に体重移動が少なく見えますが、全くないことはありません。

→ 【野球・打撃】プロ選手から学ぶバッティング「インパクト」のコツ



まとめ

バッティングフォームにおいて最初は「見様見真似」から始まることが多いと考えます。

その後は様々な理由でフォームが変わると思いますが、フォームの変更で重要なのは「目的」と「理由」です。

目的がなければそのフォームが正解か不正解かの判断が鈍くなりますし、理由がなければ結果からのフィードバックが乏しくなり、改善点の抽出が難しくなります。

よって、バッティングフォームについて考える時は、目標(例:どのようになりたいか)や目的(例:〇〇を改善したい)を考えてから、それを達成するために理由(例:ミスショットが多いから足の上げを小さくする)を持ってフォームを変更することが大事です。また変更する時は一か所ずつ変えた方が良いです。

良い結果でも悪い結果でも、その結果が出た理由を分析する際に、変更点が多いと誤った判断をする可能性があるからです。

野球の上達に近道はありませんが、効率を高め得られる経験を増やす方法はあると思います。目的と理由を持って、練習の効率性も高めてもらえればと思います。

本記事ではバッティングフォームをそれぞれの動きに分解し、ポイントや理由を紹介したつもりです。

もちろん本記事だけが正解ではありませんので、自分の目的と理由をしっかりと持ち、自分なりの判断基準でフォームを固めてもらえればと考えます。本記事がその助けとなれば幸いです。








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