アイキャッチ引用:mlb.com
こんにちは、橘裕司です。
昨今、日本からメジャーに渡り活躍する選手は本当に増えましたね。
私が中学生の頃は、野茂英雄がノーヒットノーランをかまし、
となった記憶があります。
間違いなく日本人のメジャーの道を切り開いたのは野茂英雄ですが、マック鈴木や伊良部、吉井投手コーチ(日ハム)他、メジャー挑戦した先人達のことももちろん忘れてはならない。
その後はイチローが首位打者をとったり、松井がヤンキースでワールドシリーズMVPを獲得したり、ダルビッシュ、田中将大、上原などの活躍で毎日MLBの試合結果がテレビで流れるのでかなりメジャーリーグの存在もグッと近くなりました。
彼らが活躍しているのは本当にすごいことだと思っていますが、実は私たちが想像する以上に彼らは苦労しています。
実は、これを実感できたのは、私が海外に駐在した時です。日本人選手は野球をプレイしているだけではなく、生活も色々と困る部分が必ずあるんですよね。
もちろん野球のレベルもNPBに比べればまだまだMLBは高く、日本でプレイしていたら内野安打だった当たりも三塁線、三遊間抜けてた打球も即座にアウトになるケースもあり、野球面でも大変なことはたくさんあるでしょう。
MLBにはこんな爆肩の持ち主がゴロゴロいますからね。
でも、それと同等に野球スキル、身体能力の他にも生活面で様々な困難が彼らにはあるんです。
それを海外駐在しビジネスマンとしてプレイした経験のある私解き明かしていきたいと思います。
- 語学の壁は想像以上に高く、選手とのコミュニュケーションを円滑に取れないMLB挑戦初期の期間のストレスは尋常ではない。
- 食生活もガラリと変わり、適応するまで時間がかかる、これもストレス。
- 現地の気候に慣れるまで練習も捗らないことがある。
- 海外に一緒に住む奥さんの苦労は人間関係、旦那の管理。
- メジャーリーガーは野球レベルの向上に加えて、乗り越えなければならない壁がたくさんある。
Contents
語学の圧倒的な壁・プロフェッショナルとして戦う上で、コミュニュケーションの難易度が高いのは精神をすり減らす

まずは誰でも思いつくのが語学の壁です。野球一筋でプロ野球選手になった人間が流暢な英語を話すことができるケースは少ないです。高校、大学と野球部で必死に練習してたら英語を学ぶ前にまずはプロ野球に!と思うのが普通ですからね。
もちろん日本で活躍した選手が基本はメジャー挑戦することから、お金はあるのでサバイバルできるくらいの英語を英語塾や一流家庭教師を雇って準備してから渡米する選手がほとんどでしょう。
専属の通訳も雇いますね。この通訳が初めて住む現地の生活を全面的にサポートすることになります。
大谷選手の通訳さんもテレビで取り上げられたりしていますよね。
しかし、大谷選手は水原さんという日本ハム時代から親交のある方が通訳となり、気持ちも楽かと思いますが、他の選手はやはり自分で生活面(プライベート)を完結できないのは大きなストレスになります。
加えて、新しいチームに合流した時に、サバイバルできるレベルの英語力では、選手の言葉なんて全くもって理解できるはずがないです。
彼らが話す英語は間違いなくスラング(俗語)が入り乱れているので、人によりけりですが、最低でも2年間は本気で勉強しないと聞き取れません。
私自身、1年間アメリカに留学しましたが、必死に勉強したにも関わらず、スラング混じりの日常会話は最後まで完璧に理解ができませんでした。ちなみに私のTOEIC試験の点数はほぼ満点でTOEFL/ibt試験も100点を越えていてこのざまです(笑)
生活にも慣れていない、チームメートともまだ距離が近くない、そしてメジャー挑戦ということで日本のメディアが大きく取り上げるなどのプレッシャーから間違いなく生じるストレスは尋常ではないだろうなと想像できます。
今メジャーで活躍している選手はこの環境を乗り越え、しかもハイレベルな試合で良い成績を収めているのです。
川崎ムネリンくらい開き直っているとストレスはないかもしれないですが・・・。
海外の食生活もストレスフル・どうしても毎度おなじみの日本食レストランに通ってしまいオプションが少ない
次に来るのが海外での食生活ですね。
日本人はご飯に味噌汁、納豆など好むがアメリカにはないです。
正確には、日本料理屋や日本食のスーパーなどは都会にはあるが、味のクオリティはどうしても落ちてしまいます。()シンガポールの寿司は日本より美味しいという逸話もありますが)
そしてアメリカの食の中心は肉。さすがに肉好きの日本人でも「そんなに?」と思ってしまうくらい肉ばっかりです。
ニューヨーク、ロサンゼルスに住んでいるのであれば日本人も多いのでまだましな日本食が手に入る可能性が高いですが、イチロー、岩隈のようにシアトルだったりダルビッシュが最近までいたテキサスではまずクオリティの高い日本食はまず手に入りません。
日本から取り寄せるという方法はありますが、もうこの取り寄せるという作業、注文する食事を「考える」のがストレスです。
奥さんにやってもらえば?という案もあるだろうがそれは記事後半で触れます。
この動画(1:58辺り)で前田選手のルーティンが紹介されているが、これくらいメジャーリーガーは徹底しています。
このルーティンを作るのも時間は絶対にかかる。食はやはり和食が中心(一番ストレスが少ない)。
私自身も海外に住んでいる時に近くに日本食レストラン、クオリティも高い方だったが “何か” が違うんです。
イチローは奥さんにカレーを毎朝作ってもらってましたね。彼はある意味特別な存在です。
イチロー選手のように適応できるのであれば食のストレスは高くないかもしれませんが、奥さんの協力が必要不可欠です。
アメリカの食生活が安定するまでのストレスは、グルメな選手ほど大きくなります。野球でのプレッシャもすごいですからね。
海外の気候・病気になりやすい人もいる、ウィルスに感染もある

皆さんは海外旅行に行った時に体調を崩したことはないでしょうか?
私は初めて中国に旅行に行った時にお腹をずっと下していました。
海外駐在した時も赴任先で最初に38度の熱を出し、1週間は仕事になりませんでした。
この原因は気候が関係したりします。
LAはずっと暑くて嫌だね、とかそういう話ではなく、国ごとに気候は異なり、慣れていない気候の中で過ごすと人間の体調は崩れる。
食事でウイルスにかかることだってあるのです。
これは住む国(街)との相性にもよりますが、MLBは遠征の移動も日本とは比べ物にならないほどの距離を移動するのでその地域の気候も住んでいる街の気候との差はあります。
これも体が現地に適応して徐々に慣れて来ますが、それまでは正直しんどいです。
今メジャーでやっていけてる選手たちはそれを乗り越えて野球をプレーしているのです。
海外で仕事をすることになると、奥さんへの配慮も必要。奥さんのストレスは大きい

最後に、海外で働く人の奥さんへの配慮の必要性です。
「メジャー挑戦」する際にはほとんどの選手は奥さんとアメリカに移住しますが、選手自身ももちろんストレスは大きいですが奥さんのストレスも尋常じゃないほど大きいです。
私が海外駐在している時期に、同僚の奥さんも旦那と一緒に海外に住み始め他のですが、海外に住むことのストレスが大きくて、任期を待たずして先行帰国してしまいました。
奥さんが感じるストレスは例えば、
- 昔からの気の許せる友人が近くにいない
- 旦那の食生活管理
- 語学学習
- 現地に住む日本人との交流(奥様イベントがある地域もある)
- 外国人との交流
- 慣れない食生活
- 球団の移籍があると引っ越しが大変(選手は忙しいので奥さんがやる)
- 新しい土地でまた友達探し
- 球場通い
- 育児が日本より大変(やはり、英語、文化の違いは大きい)
というような、想像以上の負担が掛かるんですね。このような様々な壁を越えていける、パワフルな女性でないと厳しいかもしれないです。
女性アナウンサーであれば、アナウンス試験を突破する根性があるので乗り越えていけそうな気はします。(笑)
奥さんが落ち込んでしまうと選手の気分も落ち込んでしまうので、選手は「野球選手」であり、「家族の一員」でもあるので奥さんのケアも絶対に必要なのです。
大谷選手は(たぶん)独身ですのでこの心配は不要といったところですね。
但し、悪い側面だけではなく、夫婦で海外生活を乗り切ったという経験は、家族としての絆を加速的に強めます。
駐在を乗り越えると家族が円満になるという話を私は社内でもよく聞きます。
長々とメジャーリーガーが乗り越えなければならない「困難」をつらつらと書いてきましたが、彼らはこれを乗り越え億千万の収入を稼ぐ活躍をしているのです。
以上、MLBで活躍する日本人選手がどれだけ凄いかを解説・奥さんも大変?…でした!