こんにちは、橘裕司です。
今回は将来ある球児に対する私の個人的な思いを書いていきたいと思います。
世界中の球児が年中悩まされているのが、
- 怪我
- 故障
- 負傷
ですよね(ほぼ全部同じような意味ですが)
野球のような接触プレーが多かったり、高校の部活のような激しい練習をしている人の殆どが「怪我」を経験すると思います。
野球の怪我については別記事でも書いていますね。
怪我をした人の中には、もう現役続行ができなくなった人達がたくさんいます。私もそんな人たちをたくさん見てきました。
そして、私もその中の一人です。
今回は怪我をした時にどうするべきか、怪我をしている選手に対して他選手はどう接していくべきかを私の経験から書いてみます。
- 体に違和感を感じたらすぐ病院で診察を受ける、セカンドオピニオンも必要。
- 怪我をしている時期は厳しい練習している時期より精神的に辛い。
- 怪我をしている時こそ、できることをやろう
試合・練習で怪我したかな?と思ったらすぐ病院へ

見出しの通りですが、身体に違和感を感じたらすぐに病院で診断を受けましょう。
と言った声が、特に高校野球の現場では指導者、コーチ、上級生から聞こえてきます。
こんなこと言われたら、病院にいくことすら言い出しにくいですよね?
今の時代は怪我に対しても結構ちゃんと考えてくれる指導者が増えたと思いますが、それでもまだまだこういうことを言う人はいるそうです。
でも、違和感がある時点で身体をケアしないと「大怪我に繋がりますよ」ということをお伝えしたい限りです。
私自身、高校2年生の冬に腰に違和感がありました。
ちょうど冬季トレーニングの時期でしたがごまかしごまかし練習していました。試合が近い訳ではないので休めばいいんですけどね。
他の体の部位の色んなところに違和感がありましたが、
というような思いから、なかなか病院には足が向かいませんでした。
結局誰にも言わず、久しぶりの休日に一人で家の近くの病院に行ったのですが診断結果は、
との診断でした。
私はこの診断をあっさり信じ込み、
と無理して練習に参加してました。これがあとで大怪我に繋がりました。
なんとか夏の大会は出場したものの、3回戦で僕の腰は完全にイかれました(そしてチームも負けました)。
監督が指示した病院で診断して貰ったところ、
とのことでした。私が唯一幸運だったのは、最後まで「高校野球」をチームの皆とやりきれたことです。
本音を言えば大学に進学し、プロに絶対入ってやる!と意気込んでいた私の夢は完全にここで朽ち果てました。
この怪我で大学への推薦もなくなり、ショックが大きすぎて受験勉強なんて身が入るはずもなく、浪人が決定しました。
この時の後悔は、いや、今となれば教訓ですが、
「自分の将来を考えた上で判断すること」
ができていなかったことでした。
もちろん高校野球がゴールなら私の選択は間違っていなかったのかもしれません。
ただ、今の時代、大学生からでも実力が一気に伸びてプロになる選手も少なくなく、将来がある選手がたくさんいます。
だからこそ、高校野球もとっても大事な時期であり、一緒にやってきた仲間と野球をやり抜きたいという気持ちはわかりますが、それでも無理はしないで欲しいと思います。
少なくとも病院は一つの診断を信じ込むのではなく、2つ、3つと他の病院でも診断して貰って欲しい。
お医者さんも「神様」ではないので1回見たくらいでは正確な症状はわからないんです。
指導者の方も、確かに「あっちが痛い」「こっちが痛い」という選手はいますが、本当に痛いと思っていても言い出せない選手は絶対いるので、監督、コーチから手を差し伸べてあげて欲しいと思っています。
一番辛い思いをしているのは怪我をしている選手

私が所属していた野球部には1年生の頃に怪我をして、そのまま本格的なスポーツはできなくなり、チームのマネージャーとなった後輩がいました。
彼と話をしたのは大学に入ってからたまたま二人で飲む機会があったのですが、野球人生で一番辛かったのは、
「怪我をして雑用を手伝っている時に、仲間が一生懸命練習をしているのを見ていた時」
と言っていたんです。
ただでさえ精神的にきついのにその横で僕たち怪我をしていない選手は野球の練習漬けの充実した日々を過ごす。
私自身、大学野球を見ると辛い時期がありましたが、彼も甲子園を夢見て野球部に入り、途中でプレイができなくなったという無念がありました。
怪我をしていない時期は故障者の気持ちをあまり考えたこともなく、勿論最後の夏の大会前は、
「お前の分も頑張ってくるからな」
と言いつつもどこかで厳しい練習を耐えてきた僕たちの方が辛い思いをしてきたんだと心のどこかでは思っていた気がします。
でも、私が怪我をして野球ができなくなった後に、本当は一番無念だったのは、甲子園に届かなかった僕たちではなく、高校野球にすら参加できなくなってしまった彼らだったことに気づきました。
チームに故障者がいて、気持ちを汲んでやれなんて言うつもりもないんですが、そういった選手も全国にはたくさんいて、力一杯野球ができるというだけでも幸せなことだということを全高校球児にはわかっておいて欲しいなと。
怪我をしている時だって、野球の練習はできる

これは社会人になって、幾分か時間が過ぎたからこそできる提案です。
でも今の高校球児のレベルならもうわかりきっていることですかね?
まず、身体が痛かったら他の人の目は気にせず、練習は休みましょう。
その代わり、できることをしましょう。
故障部位と関係のない部分の筋肉トレーニングは勿論ですが、その他にやっておくべきことは野球の「勉強」です。
どの選手にも苦手としているプレーは必ずあります。
もし私が高校時代、怪我で休んでいた場合に勉強していたであろうテーマは「走塁」です。
私は50mを6秒30とそこそこ足は早かったですが、盗塁を決めたことはほぼありませんでした。
ビビリでしたのでリードも大きくとったことがありませんでしたし、走塁について学ぼうとも思ってませんでした。
ですので、怪我をして勉強するのであればまずは走塁に関する本を読み漁り、プロ野球の走塁のスペシャリストの動画をひたすら見続け、イメージトレーニングを固めます。
そして、怪我から復帰した時にそのイメージを練習で身体にシンクロさせ、走塁の極意を習得していたでしょう。
所謂、自分の野球の「総合力」を高めるといったところです。
打撃の練習ができないのであれば弱点をこの際克服してしまおう、ということです。
プロのピッチャーにも肘を怪我して、ランニングしかできないのでひたすら走っていた、という選手もいます。
その選手は足腰が鍛えられ、怪我前よりストレートが遥かに伸びるようになったという話もよくあります。
キャッチャーでしたら、配球の本の勉強をして見たり、ライバル校の捕手の配球の組み立て方を学ぶなどいくらでもあります。
その他のポジションでも怪我の部位にもよりますがひたすら柔軟運動をしたり体幹を集中的に鍛えて身体のキレを高めるなどあります。
怪我をしたから自分の成長は止まる、と高校球児は思いがちですが(私はそうでした)、それをチャンスにしていってください。
頑張っていきましょう。
以上、野球で故障をしていても練習はできる・怪我は『好機』と捉えよう…の話題でした!