こんにちは、橘裕司です。
少し時間が経ってしまいましたが、京大田中投手がロッテから10月に戦力外通告を受け大手総合商社・三井物産に内定したことが大きく報じられましたよね。
京大出身初のプロ野球選手として話題を呼んだロッテ・田中英祐投手(25)が22日、現役引退を発表した。入団から3年間で勝ち星なしに終わり、10月に戦力外通告を受けた後、球団からフロント入りを打診されていたが、大手商社の三井物産への就職を選んだ。
参考:ロッテ戦力外の京大出身・田中英が商社マンに 入団時内定蹴った三井物産へ就職
今回は野球を挫折して一流企業で勤めている私からすれば少しレベル感と挫折の内容は異なりますが、共感できる部分が多いので少し、思いの丈をぶつけてみたいと思います。
あなたは田中投手についてご存知でしょうか?
知らなければこれ⇩見とけばOKです。
私の田中投手の今回の進路についての感想は、
という感じです。
世間では三井物産に内定し人生安泰とか羨ましいだのコメントが溢れかえってますが、彼ほどのレベルの人間をサラリーマンレベルの人間で終わらせるわけにはいかないんですよ。
結論としては、三井物産でビジネスの基礎中の基礎を学んで、休憩して、起業してまた社会を喜ばせてほしいなと思う次第です。
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京都大学を出てプロ野球選手になるということがどれだけ凄いことなのかを世間はわかっていない

見出しに気持ちを込めすぎて全部伝わってしまったような気もしますが・・・。
京都大学を出てしかもプロ野球にドラフト2位に選ばれる凄さは誰もが理解してますよね。
でも具体的には絶対理解できていないです。
まず最初の凄いところは京都大学に高校野球をバリバリやっていたにも関わらず現役合格をやってのけているところです。
最後の夏の大会は初戦で負けたとしても、そもそも京大を目指す受験生があんなハードな高校野球しながらだと100%受からないです。
何を隠そう私自身東京大学を目指し一浪してあっさり落ち、滑り止めの私立大学にやっと入れたくらいなのですから。
受験経験者としては野球部で活動しつつ京都大学合格するなんて化け物です。
もちろん、高校野球を最後の夏までやって東京大学に入学した知り合いはいます。
でも、少なくとも野球は全く凄くなく、部活やりながらもコツコツ勉強するタイプでしたので最後の夏の大会前に勉強の貯金ができていました。
一方で田中投手は京都大学でも野球部に入学し、1年生で登板しています。
京大と言えど1年生で登板できるレベルというのはひいき目なしで見ても実力があったと言わざるを得ません。
もうこの時点で「勉学」と「野球」の二刀流が完成してます。
これは田中投手が超努力家なのか、勉強しなくてもテスト解けちゃう天才なのかはわかりませんが、どっちに転んでも桁外れです。
人間ではありません。
またまた力説させていただくと、田中投手の京大の専門は工業基礎化学。
あれ?この学部昔同期にいたような・・・勉強忙しかったって言ってたような・・・。そう、勉強が忙しい中着々と野球の力もつけてMAX149kmのスピードマグナムボールを手に入れたのです。
これは田中投手が超努力家なのか、何もしなくてもなんでもできてしまう超天才なのか、どっちに転んでも超人であることは間違いありません。
戦力外通知はイップスが大きな原因なのか?

個人的に田中投手には注目していました。
だって頑張って欲しいですからね、高学歴のプロ野球スタートして、ヒーローインタビューで他のプロ野球選手達に、
とドヤ顔で言ってくれる日が来ると期待していましたから。でも悪いニュースを途中で見てしまいました。
出た・・・イップス・・・。
投げ方が分からなくなった。ブルペンでは天井にぶつけ、地面にたたきつけた。150キロ近い球速は、120キロまで落ちた。1年目の9月を最後に9カ月以上、実戦を離れた。イップスを疑い、自分で見つけたメンタルトレーナーにも通った。
どこまで将来ある野球選手の芽を摘めば気がすむんだ・・イップスボーイ。井端といい藤浪といいプロ野球もイップス地獄です。
イップスは克服できても、その克服の過程で自分のフォームは必ず狂いますし、また新たにフォーム固めから始まってしまうんですよね。
これは現役が短いプロ野球選手には絶望的な期間です。
克服するのに時間が掛かり、フォーム固めをしていたら1年なんてあっという間に過ぎますよ。
イチロー選手は高校時代にイップスを克服したとインタビューでおっしゃっていましたね。
どうやって治したのかは「センス」と。なるほど天才は違う。
でも、イチロー選手は高校二年生の時にイップスが発症し、1997年まで治ってなかったということは、1992年入団ですからなんと完治まで7年間。
7年間かかって克服したというのは天才イチローにしては意外ですが、確かに当時はイップスって世間的に認知されてなくて、イップスに有効な精神安定法なども何もなかったですからね。
あの超人・糸井選手もイップスのせいで投手をやめることになりました。
天才イチロー、超人糸井を苦しめたイップス、恐るべし。
田中投手もさぞ悩んだことでしょう。
イップスは最後まで治ってなかったみたいですね。
三井物産に入社したらすぐに物足りないと気づくはずだ

世間では田中投手が三井物産に入社することについて羨ましがる人はとっても多いです。
そりゃそうですよね、一流企業なんて簡単に入れないですから。「高偏差値」+「何かすごいもの」がないと入社できないのは基本です。
でも田中投手からしたら一流企業に再度内定貰えるのなんて当たり前なんですよ。すぐ仕事もできるようになるしあっという間に年の近い社員なんてごぼう抜きしていくでしょう。
そもそも素材が違います。何を隠そう私自身、三井物産ではないですが総合商社で働いたことがあるんですよ。
2回転職しているんですが、1回目の転職の時ですね。外資系の職場が激務すぎて、
と、転職エージェントに言われるがままに、安定を求めた転職でした。
三井物産はどうか知りませんが、一般的に総合商社は激務と言われていますが、実際そうでもありません。
今は特に、激務の投資銀行や外資コンサルの優秀な人が「もう疲れた・・・」と安息と安定を求め転職する代表的な転職先です。
昔は激務だったでしょうが、今は過去の投資の管理がメインでして、あまり刺激がないのが実情です。
私は安定した給料と多くない業務量のメリットよりもイライラが秒速で上回ったので1年足らずで元の業界に戻ってきてしまいました。
というか、大手の日系企業はどこに行っても同じような気がします。年功序列前提の会社はちょっときついです、もどかしいっていうか。
そして、本題の田中投手に話を戻すと、彼が三井物産に在籍するのはMax3年でしょう。
そもそも、プロ野球選手でシノギを削ってきた人間が日系企業のスローなスピード感に耐えられるわけがないんですよ。
少し残業して19時に合コンにいく同僚を見て初日でがっかりするでしょう。田中投手よ、なぜぜめて我々外資企業に来なかったんだ。
加えて、ドラフト2位でロッテに入団したわけですが、その時に脚光を浴び、練習は辛かったでしょうが先輩プロ野球選手の華やかな世界を目撃しているはずです。
その中でいきなり普通のサラリーマンの生活ですから人生が急降下しすぎなんです。
この部分でも時間が経ってくると「このままじゃいかん!」と必ず企業を飛び出して行くと思います。
でも、ここで疑問を感じました。
そもそも商社で出世してそちらで1流になろうなんて保守的な考えで入社を決めたんだろうか?
いや、そもそもそんな器の人間ではないはず。
ということは、三井物産はビジネスを学ぶ最初のステップとして選んだのではないだろうか。
何か、裏に大きな夢がまだ潜んでいるんではないだろうか。若しくはちょっとまだ悩んでるから腰掛けでとりあえず三井物産に・・・。そうであってほしい。実にそうであってほしい。
この逸材はここで終わってはいけない。
ひとまず人生の休憩期間ということか、待ってるぜ

ということで、このまま日系サラリーマンで彼のライフが終わることは残念すぎるので、今は人生の休憩期間ということで勝手に結論付けました。
と、ここまで生意気にも僕のような低レベルの人間が思ったことを書き殴りましたが、「三井物産で仕事を頑張る」のであればそれは田中投手が決めることですし、彼なりにそれで満足、幸せであるならとっても正しい選択だと思います。
むしろ私のような社畜がこれ以上増えない方が世の中の幸福度は上がるかもしれません。
とりあえず、プロ野球生活お疲れ様でした。
と、田中投手のこれからの人生も輝き続けるといいですよね。
以上『ロッテ・田中英祐』京都大→ロッテ戦力外→三井物産、人生これから….の話題でした。